鹿児島一番機搭乗!

2月16日、とうとう開港した。業界の仕事で、一番機で鹿児島まで飛んだ。7時20分のフライトでお客様の集合を6時20分にかけており、とても自宅から来れる時間でないので、ポートピアに泊まる。それでも朝、4時半に起きて延伸したポートライナーで空港駅へ。5時半には空港へ到着。搭乗客よりもマスコミ、行政関係者、警備が殺到してる感じであちこちからカメラやマイクが飛び出し、シャッター音が喧しい。ポートライナー降りた途端から長蛇の列。何がなんやらわからない。何とか団体カウンターへ行ってチェックインしようとするも、ここではない、反対側だ、反対側へ行くと、こっちではありません、あっちです、ってな調子。みんなどう動いていいかわからない様子。時間に余裕があったのであわてることはなかったけれど、やはり緊張感、重圧感はかなりのものだ。実務部隊の右往左往とは違った趣の一隊が中央付近でセレモニーの準備に追われていたようだが、あまり目に入らなかった。実際の1番機は東京行きで7時5分。その後に、我々鹿児島行きの搭乗客が並ぶ。7時10分になっても我々の後ろに東京便の客が並んでスタッフが探しのに懸命。慣れないセキュリィティチェックが異常に長くかかっている。機内に乗り込んだのは、すでに定刻を過ぎ7時40分になっていた。並びながら、口々に時間の掛かる搭乗客を小声ながらなじっているが、何のことはない、そんな連中に限ってチェックのブザーがなり再チェックで時間がかかってるのだ。空港の前途を予感?させるように外は雨…何にも建物もないガラーンとした空港島をようやくテークオフ。
 いろいろと問題を抱えたままの開港。たしかに神戸市内からなら利便性はある。しかし、阪神間なら間違いなく伊丹でしょう。市が目論む需要はほんとにあるのか…?大阪から、北摂から誰が神戸までくるのでしょう。営利会社の航空会社自身がすでに中小型機を配備することで答えをだしている。需要と便数を確保するには、超格安の運賃で不正常、不合理な客寄せに手を染めざるを得なくなるのではないか。あまりのダンピングが何を引き起こすかは、世界の航空の実際をみれば明らかではないか。
 建設財源も問題。聞けば空港島は1件以外全く買い手がないというではないか。税金は注ぎ込まないとしていた市長は、建設の財源には注ぎ込まないと言ったが、運営・維持には注ぎ込まないとは言ってない、と言ってるそうな!
 も一つ、安全の問題も重大。冬の六甲おろしのきつい日、横からまともにそれを受けるルートを飛ぶ機体の何と不安定で恐ろしいことか…それだけでなく、伊丹、関空八尾空港からの多くの発着便とのルートの高度差を巡ってアクロバティックな飛行を強いられることも危険きわまりないと、危惧するパイロットも少なくない。
 そんなことを想ってるうちに機体は上昇を続け鹿児島一番機は雲上に出た。