ヨーロッパ 川の旅

KokusaiTourist2009-03-30

ブルージュ〜ダム運河(ベルギー)
(業界メディア トラベルビジョンより)
ミニクルーズの出発点は中世の街、ブルージュ
 9世紀に毛織物業で栄え、13世紀にはハンザ同盟の貿易拠点となってヨーロッパ一の繁栄を極めたベルギーの町、ブルージュ。だが、その繁栄は長くは続かず、15世紀には北海から流れ込む砂が生命線である運河を埋めてしまったことから貿易港としての機能が停止し、歴史の表舞台から忘れ去られてしまった。

 そのおかげでこの町は「北のヴェネチア「天井のない美術館」と称され、中世そのままの町並みを今に残し、多くの観光客を魅了している。運河に取り囲まれるようにある歴史地区一帯は世界遺産に登録されており、美しさでは世界で五指に数えられるといわれるマルクト広場を中心に、13世紀から15世紀に建てられた鐘楼やベギン会修道院など、見どころが満載だ。
 そんな魅力あふれるブルージュの街歩きを楽しんだあとは、遊覧船での観光をすすめたい。「橋(ブルージュ)」を意味する町の名の通り、町を縦横に流れる運河には、50以上もの橋が架かっており、それらの橋を下から見上げるのも、街歩きとはまた違った楽しみ方である。
ハンザ同盟都市の街からフランドルの田園風景へ
 ブルージュからの小旅行の目的地は、北東へ7キロメートル郊外のダム。ダムはブルージュの外港として栄えた町で、ダムとブルージュを結ぶ運河は、かつて数多くの交易品を運ぶ貴重な輸送路だった。その道をたどるように、ブルージュの町外れから遊覧船「ラム・グッドザック号」は進む。
 運河沿いに建ち並ぶ階段状の破風を取り付けた立派な商家は、ハンザ同盟都市独特のもの。富の象徴として作られたもので、年月を経た今も威風堂々と建っている。町を抜けるとやがて周囲は田園風景となり、平坦な牧草地が広がる典型的なフランドルの風景が見られる。羽を休める白鳥が、船の音に驚いて飛び立つ姿がほほえましい。白い風車が見えたら、ダムの町はすぐそこ。わずか35分のミニクルーズだ。
 ダムには質の高いレストランやギャラリーがあり、のんびり半日過ごすのにはちょうどいいところだ。遊覧船の運航はイースターから10月中旬まで。