日系2社、燃油サーチャージを撤廃!!?? 制度のあり方検討も

[下記記事は業界メディア トラベルビジョンより]
 日系航空会社2社は5月7日、7月1日発券分からの燃油サーチャージを廃止することを国土交通省に申請した。2月から4月までのシンガポールケロシン平均価格が1バレル当たり約55米ドルとなり、廃止基準の60米ドルを下回ったため。国土交通省航空局国際航空課によると外国航空会社からの申請はまだないものの、大韓航空(KE)など60米ドルを基準とする会社もあり、追随する会社もあると見られる。海外旅行市場の動向は新型インフルエンザの影響もあって先行き不透明だが、航空会社各社の情報を総合すると、これまでも燃油サーチャージ価格の値下げの際には消費者からの反応が少なからずあったといい、需要喚起の効果に期待がかかる。
 今回、日系2社ともに燃油サーチャージの「廃止」に踏み切ることを発表したが、現在の燃油サーチャージ制度のあり方については異なる方針を示している日本航空(JL)は対象を7月1日から9月30日の発券分に限定しており、「制度自体は存続する」(JL広報部)との認識だ。10月1日以降の発券分については、現在のところ従来どおり5月から7月までのシンガポールケロシン平均価格を現在の基準に当てはめて決定し、8月下旬ごろに発表する方針という。
 一方、全日空(NH)では、対象期間を「7月1日発券分から」と決めており、その後については明確にしていない。これは、NH広報室によると「現在の制度は一旦廃止になる」との考えによるもので、それ以降については燃油価格や市場の動向、他社の動向をふまえて判断していく方針。状況によっては再設定する可能性もあるものの、その際には60米ドルの基準や3ヶ月間での算出などのあり方の見直しを含めて検討するという。
 なお、日本旅行業協会(JATA)燃油サーチャージ問題対策(FSC)チームリーダーの田端俊文氏は、「新型インフルエンザの発生など状況が厳しい中で、夏場に向けて明るい話題」であることから歓迎するとコメント。ただし、JATAとしては制度そのものの廃止と本体運賃への一本化を望む姿勢を堅持しており、今後も関係各所に働きかけを続けていく方針を示した。