“ドクター安達

KokusaiTourist2010-05-18

○○○○○○○○○のNPTレポート”その3
大阪民医連社会保障平和委員会委員長で茨木診療所所長、西淀病院副院長の安達克郎様からニューヨークでのNPT再検討会議参加レポートが寄せられました。ご了解をいただき、一部編集のうえ、数回に分けてブログに掲載させていただきます。
日本原水協ニューヨーク派遣団
NPT再検討会議 in New York and San Francisco in 2010
2010年5月1日(土)〜8日(土)
茨木診療所所長、西淀病院副院長 安達 克郎
4日目
 2010年5月4日(火) ニューヨーク晴れ 
午前中は医療・福祉関係者の集いに参加
今日一日は各分野での集会が予定されている。午前中、私たちは医療・福祉関係者のつどいへ歩いて出かける。タイムズスクエアのすぐ近くにあるSEIU本部だ。9:40無事会場にたどり着く。
司会席に全日本民医連の事務局長、事務局次長が座っていて、井上哲士参議院議員があいさつをしているところだった。彼も被爆2世だそうだ。日本共産党の主張を書いた1ページの要請文をつくり、国連関係者や各国政府関係者と懇談を行っていることを報告していた。要請文の要点は2つ、1つはNPT会議で2000年に合意した核兵器国が核兵器削減の明確な約束を果たすこととした決議を再確認すること、2つ目は核兵器廃絶条約締結のための交渉開始に合意すること。
議題に入り、はじめにSEIUのニューヨーク医師部会の責任者Dr.トニー・ルイス氏から「アメリカ医療者の反核運動アメリ医療保険改革をめぐる動向」の報告があった。彼女は非常に体格のいい黒人女性だった。医師部会は約3万人のインターン・レジデントを組織しているそうだ。これまでいくら努力してもできなかった医療保険制度の改革が2009年にやっと成立した。今まで医療保険会社によって阻止続けられた法案だが、医師自身が高保険ということもあり、50万人の医師がこの法案に賛成するようになったとのこと。これまで無保険だった3800万人の人が保険に加入できるようになり、徐々にではあるが改革が進むことが期待できると。
次に、被爆者から、韓国原爆被害者協会会長のキム・ヨンギル氏マーシャル諸島からよく知られたアバッカさんが報告、予定されていた第5福竜丸元乗組員の大石又七さんは、国連の会議の都合で出席できなかった。
その後、各地の取り組みが報告された。広島からは被団協を通じ8千人が被ばくを申請中だが、却下される人も少なからずあり、怒りの電話がかかってきている。広島の放影研アメリカのエネルギー省から財政援助を受けているが、核テロ対策のための研究を進めることに合意したのでその研究内容が極秘にされる可能性が懸念される、と。
滋賀・膳所診療所のIM先生が、滋賀は6人のDr中3人が参加していること、人口の1割14万人署名をめざして、現在11万人達成したことなどを報告。
沖縄から、日本では鳩山政権が辺野古海上案を正式に提起してきたという日本の最新情報とともに、4月25日県民大会では保守・革新までが合意して県外施設という県民の意思を示したこと、今後の前進のためにはやはり安保条約をどうするかという議論まで検討していかなくてはならないのではないか、と報告。
京都からは自転車に追突された看護師さんのアメリカ救急医療実態報告が、その後北海道、三重、京都、長崎とあり、最後に130名を超える最大数の派遣をした愛知県の若い世代から民医連綱領を英文に直したものを持ってきたなどと、報告あり。
午後はノートルダム女子高校で「アンジェラスの鐘」の上映会

 どういう事情か知らないが、愛媛民医連がニューヨークでアニメ映画「アンジェラスの鐘」の上映会を2回行うという。愛媛からは、総計10人で参加した。脚本を書いた有原さんは国連の会議のためこの日は出席できなかった
 会場はスタテン島にあるノートルダムという女子高校らしい。昨日市内見学で行った自由の女神が見えるサウスフェリーまで地下鉄で行き、13:30発のフェリーに乗ってスタテン島に渡る。
15時の開始時間になると100人を超える生徒たちが集まってきた。定刻に開始、上映に先立ってパトリシア校長先生と渉外担当のトレーシー先生からあいさつがある。
そして上映開始。日本語で英語の字幕が出る。1時間ほど経った頃、パソコンがヒートアップし映像が途切れそうになる。WDさんやMK君がパソコンを持ち上げ少し振動を加えながらDVDのデイスクが回るようにする。僕はときどきうちわで風を送る。なんとか1時間20分、最後まで上映できた。
 続いて被爆2世の○○さんが自分の家族・親せきの写真を見せながら被爆体験を語り、MYさんが核廃絶に皆さんが協力してほしいと訴える。フロアからの質問はすぐにはでず、みんなに映画を見ての感想を書いてもらう。後で回収すると50人分くらいはあったのではないか。有原さんが直筆の生徒の感想が見たいとのことなのでこの感想文は彼に渡すことにする。Impact!とだけ書いたものもあり、相当な印象を与えたのだと思う。
 17:20 高校を出る。帰りは1時間かかってホテルまで車で送ってもらう。19:00HB先生が前回泊まったペンシルベニアホテルの近くにおいしい韓国料理店があるからと、
エンパイヤステートビルのすぐ裏にある韓国料理店に行って打ち上げ。久しぶりのアジア料理で食事を堪能、「アンジェラスの鐘」上映の効果も十分あったと思われた。