鳩山から管へ 普天間は?

KokusaiTourist2010-06-05

琉球新報5日社説)
普天間の移設先を「最低でも県外」と公言しながら、米国に一喝されると、すごすごと主張を引っ込める。迷走の果てに、自民政権下の日米合意に大筋で回帰するという失態を演じた。
 …新首相となる菅氏はどうか。普天間問題への姿勢は沖縄にとって最大の関心事だが、昨年来、踏み込んで発言していない。辺野古移設を明記した閣議決定に署名した経緯から、鳩山政権の方針を撤回する可能性は低いとみられるが、民意に背く政治はいずれ破綻(はたん)すると心すべきだ。

…橋本内閣で厚相を務めた際には薬害エイズ問題で、役所の決定的な過ちを裏付けるファイルを見つけ出した。官僚の抵抗をはねのけて公表し、被害者らに土下座して謝罪している。
今年1月の財務相就任会見では、こう説いている。
 「大臣は役所の代表ではなく、国民が役所に送り込んだ国民の代表財務省が国民のために働く役所であるように、という役目で就任したと理解している」…

…菅氏は首相指名後の会見で、普天間問題について「基本的には日米間の合意を踏まえ、沖縄の負担軽減に腰を据えて取り組んでいく」と表明した。新政権の試金石となることは間違いないが、薬害エイズ問題で被害者の訴えを傾聴した菅氏である。
普天間問題でも「腰を据えて取り組む」と誓った以上、基地被害が甚大な沖縄を見くびるようなことはしないと信じたい
おごらず、ひるまず、国民目線で―。それが政権交代の使命だったはずだ。数の論理で沖縄を切り捨てる愚を重ねてはならない菅首相誕生を、血の通う政治実現への出発点と位置付けたい。
(基地の地図はしんぶん赤旗より)