中小企業憲章

中小企業家同友会ホームページより【10.08.04】「憲章」内容の実現にヒント〜中小企業庁長官と懇談【中同協】
 中同協は7月16日、中小企業庁長谷川榮一長官を表敬訪問し、「中小企業憲章」の閣議決定のお礼と今後について懇談しました。
 訪問には、中同協の鋤柄修会長と広浜泰久幹事長、国吉昌晴副会長・専務幹事、瓜田靖政策局長が参加。同庁事業環境部の宮本昭彦企画課長が同席しました。
 まず、鋤柄会長がこの間の中小企業庁の「中小企業憲章」の取り組みに感謝し、お礼を述べました。これに対し、長谷川長官は、「中小企業憲章」のような閣議決定の文書を1年もかけずに作成するのは稀有であるとし、中小企業の方々の「思い」を盛り込むよう努力しました、とこたえました。
 さらに、長官は、「憲章作成を担った中小企業憲章研究会には毎回、文部科学省厚生労働省など他の省庁からも陪席していましたし、『憲章』が閣議決定されたということは、すべての省庁が合意しているという大きい意味があります。つまり、『憲章』を使っていろいろな役所に意見が言えるということです。しかも、『憲章』には『中小企業の声を聴き…政策評価につなげる』とありますから、検証のシステムにもつなげることができます」と強調。「憲章」の内容実現に向けたヒントが示唆されました。
 「憲章」を今後の法律や政策に生かしていくことについても意見交換し、なごやかな雰囲気の中で懇談を終了しました(なお、長谷川榮一氏は7月30日の発令で、退任されました)。

 中小企業憲章とは、
 日本の経済・社会・文化及び国民生活における中小企業・自営業の役割を正当に評価し、豊かな国づくりの柱にすえることを国会が決議し、憲章の精神を実現するために、現行の中小企業基本法をはじめ、諸法令を整備・充実させる道筋を指し示すものです。
 すでに、EUでは、2000年に「欧州小企業憲章」を制定し、中小企業を「欧州経済のバックボーン」「主要な雇用の源、ビジネスの発想を育てる大地」であるとの理念を掲げ、ヨーロッパ経済戦略の中核に中小企業を位置付けています。日本でも、2004年版『中小企業白書』は、「中小企業は過去も現在も将来も経済社会を先導する存在である」としるしており、中小企業を正しく評価する気運がおこりつつあります。
 近年、経済のグローバル化が進展する中で、産業や地域の空洞化、地域経済の衰退が顕著になってきました。このままでは、日本経済の健全な発展と国民生活の安定は望みようがありません。日本経済を草の根から再生するためには、中小企業・自営業が元気になりその本来の力が発揮できるような環境を整えることが必要です。
 「国民や地域と共に歩む」ことをめざす中小企業家同友会では、中小企業憲章の制定を広く国民運動として提起していこうと考えています。併せて、地域経済の活性化を促す、「中小企業振興基本条例」の制定、あるいは時代にそくした条例の見直しを各自治体に呼びかけていこうとするものです。