ディーセント・ワークって…

「デーセント」は「まともな」という意味ですが、「ディーセント・ワーク」となると「人間らしい仕事」になります。「人間らしい仕事」は、仕事があることが基本ですが、その仕事は、権利、社会保護、社会保障、社会対話などが確保されていて、自由と平等、働く人々の生活の安全保障がある(経済社会安全保障)ということです。すなわち、人間としての尊厳を保てる生産的な仕事のことです。
 ディーセント・ワークは、人々の最も自然で日常的な願いです。「仕事」というのも広く捉えられていて、報酬を得て働くことばかりではなく、育児や介護などのような報酬が支払われないことが多い仕事(アンペイド・ワーク)も含みます。また、インフォーマル経済での仕事や協同労働など様々な働き方を含むとしています。
 大部分の人にとって、「仕事の意義」とは、生活維持のために貴重で、かつ唯一の手段であり、基本的な生存のニーズを満たす必須の手段でもあります。そればかりではなく、人々が自己のアイデンティティを自分自身や周囲に確認させる活動であり、「人生の意義=生きがい」を見いだすものでもあります
 仕事から得られる収入や満足は、個人の問題を超え、家族の幸せや社会の安定に関係します。人は、仕事というレンズを通して、人々の動きを敏感に感じます。つまるところ、仕事は、「人間の存在の根幹に関わる意義を持っている」という事になります。
 これらは、ILOの作ったパンフレットからの抜粋なのです。女性にも、男性にも、すべての人々にディーセント・ワークの機会確保を保障していくことが、ILOの活動全体の目標とされているのです。
 このようなディーセント・ワークの考え方は、日本の現実からかけ離れている部分もありますが、この考え方にある「人間らしい仕事」こそ、国際労働基準という言うときのグローバルスタンダードであるのです。



(労協)国際ツーリストビューローは、協同労働の協同組合、労働者協同組合として“ディーセント・ワーク&ライフ”を目指しています。