公益社団法人ACジャパンと東京電力

やっぱり!! なっとく!?

しんぶん赤旗5月2日“潮流”から転載

   「こんにちワン」「ありがとウサギ」「あいさつするたび友だちふえるね♪」。東日本大震災の発生直後からテレビで、こんなコマーシャルソングがよく流れています。その最後に出る「AC〜♪」▼提供しているのは、公益社団法人ACジャパン(旧公共広告機構)。公共マナー啓発などの宣伝をおこなう民間団体です。会員には、有名大企業が、ずらりと名前を連ねています▼放送が多すぎて反感を持つ視聴者も少なくないようで、先日、民放のワイドショーでは、司会者が“率直”な釈明をしていました。
  「震災のために企業広告の自粛が多く、その穴埋めの役割も果たしている」。なるほど、営業上も多大な貢献をしている「AC〜♪」▼この団体の役員欄を見ると目立つのは、電力会社幹部が74人中8人もいること。「電力業界は、マスコミ対策に異常なほど熱心」。ある大手メディア幹部の体験的実感です。「記者仲間の内輪の飲み会でもなぜか、電力の広報担当がよく参加していた」▼なかでも、とりわけ熱心といわれているのが東京電力です。年間の広告宣伝費は電力業界トップ。大震災発生時に東電の会長は、マスコミ関係者らを引き連れて中国旅行中でした。福島第1原発事故でも、大手メディアの追及に生ぬるさを感じるのは、そのせいか▼福島だけではなく、日本中の原発の安全性に国民の目が注がれています。メディアは、もう、電力業界となれ合っている場合ではないでしょう。日本の命運を左右しかねない問題なのだから。