これから東北 その1

KokusaiTourist2011-06-01

平泉が世界遺産
世界遺産と観光、「共生」を確認 平泉協会総会
 平泉観光協会(小野寺邦夫会長)の本年度総会は25日、平泉町平泉の平泉文化遺産センターで開かれた。国際記念物遺跡会議(イコモス)の世界遺産「登録」勧告を受け「世界遺産と観光の共生」を重視し受け入れ態勢を整えることを確認した。
 会員ら約30人が出席。「登録」勧告後、同協会は観光客の受け入れに際し極端な商業主義などに陥らないよう「世界遺産と観光との共生」とのコンセプトを掲げており、総会でその姿勢をあらためて確認した。
 本年度は、8月16日に町内で開催する大文字の送り火で、東日本大震災の犠牲者の冥福を祈る。震災後に激減した観光客を呼び戻すため、岩手や東北の復興をテーマに広域連携による首都圏などへのPRのほか、仙台や盛岡など近郊からの誘客にも力を入れる。(2011.5.26)


来年は啄木没後100年
啄木をしのび百回忌盛岡・玉山で120人参列
 石川啄木(1886〜1912年)の命日の13日、出身地の盛岡市玉山区渋民の宝徳寺で百回忌の法要が営まれた。関係者や熱心な啄木ファンら約120人が参列し、天才歌人をしのんだ。啄木祭実行委員会の嵯峨忠雄会長は「心のゆとりを喪失し、潤いのなさが広がりつつある現代こそ、啄木の生きざまや作品から多くのことを学ぶことができる」と時代を超えた魅力を強調。谷藤裕明市長は「これからのIOO年も人々の共感や感動の輪を広げ、顕彰していくことがわれわれの使命」とあいさつした。
 地元の婦人コーラスグループ、コールすずらんと玉山吟詠会が啄木作品にちなんだ歌や詩吟をささげた。石川啄木記念館(盛岡市玉山区)の学芸員山本玲子さんが「啄木一愛され続けて百年」と題して講話した。
 同記念館の企画展「愛されて百年第1部〜啄木忌に集う人々」も同日開幕。晩年の手紙や啄木の死を悼んだ人たちの書簡から魅力を紹介している。7月31日まで。
 同市などでつくる実行委は来年の啄木没後IOO年に向けて、記念事業を計画。本年度は6月4日の啄木祭をはじめ、啄木の縁で交流のある東京都文京区、北海道函館市との交流事業などを繰り広げる。(2011.4.14)



賢治は没年の1933年に三陸地震に遭遇…
賢治を生かした街活性化推進へ花巻・初の協議会
 花巻市の「賢治・星めぐりの街づくり推進協議会」(木村清且会長)は12日、同市花城町の花巻商工会議所で第1回協議会を開いた。「宮沢賢治」を生かした中心市街地の活性化に向け、公開フォーラムやリーフレット作製などに取り組むことを決めた。
 協議会は商店街代表や商工会議所、学識経験者ら22人で構成。同日は約20人が出席した。
 本年度の活動は、賢治の童話と花巻の四季を組み合わせたりーフレット「花巻歳時記」の作製のほか、ボランティアガイドの育成、賢治作品と作品をイメージした昼食を楽しむ年4回の公開フォーラムなどに取り組む。いわて産業振興センターのいわて希望ファンドの助成を受ける。
 木村会長は「花巻に来ればいつでも賢治さんに会えるという街にしたい。世界に向けて発信できる賢治さんの生誕地としての役割を果たす」と意気込む。(2011.5.13)


秀吉、全国制覇最後の戦い。南部氏の居城
九戸城の歴史学ぼう 二戸市で7月、10周年事業
 二戸市の九戸城ボランティアガイドの会(小保内淳代表)は7月、設立10周年を記念したフォーラムとイベントを開く。
 フォーラムは2日、二戸市石切所の市シビックセンターで開催。岩手大の菅野文夫教授が「九戸一揆とは何か」と題して基調講演する。パネルディスカッションでは、市史編纂(へんさん)委員の奥昭夫さん、市民俗資料館の菅原孝平館長、市埋蔵文化財センターの関豊所長、小保内代表が「九戸政実南部信直」をテーマに意見を交わす。
写真は土井晩翠の歌碑 17日は九戸城二ノ丸でイベントを開く。お茶会や日展会友の堀内青巒(せいらん)さん、福岡高書道部による席上大揮毫(きごう)(書道パフォーマンス)、九戸城かるた大会、野外生け花展示など多彩な催しを繰り広げる。
 ガイドの会は2001年に発足、土日と祝日(平日は予約制)に無料で案内している。小保内代表は「10周年をきっかけに九戸城、九戸政実について知ってほしい」と来場を呼び掛ける。
 フォーラムは入場無料だが、事前申し込みが必要。問い合わせは石切所公民館(0195・23・3990)へ。(2011.6.1)

(いずれも「岩手日報」より転載)