「低価格路線を反省」

読売旅行の小笠原社長が協定旅館ホテル連盟の総会で
業界紙旅行新聞より
読売旅行の小笠原忍社長は6月の社長就任後に目を通したというアンケートハガキの束から1つの事例を紹介した。アンケートは京都からの鳥取砂丘の日帰りツアーの参加者からで、「午前7時半に出発、鳥取砂丘に着いたのは午後4時、帰宅は午後11時半。これだけ遅れる可能性があるなら説明すべきだ。基本的にこんなツアーを金儲けのために組むな」というお叱りの声だった。「ハガキの最後には『ただし添乗員は二重丸』とやっと救われる一行があった。衝撃的な話だが恥を忍んでお話した。お叱りの声をしっかり受け止め、改善していく。旅行業はお客様への配慮を忘れては成り立たないと痛感した」と語った。
 また、経営再建のエキスパートで、高級スーパー成城石井の大久保恒夫相談役の話を引用し、「大久保氏の経営哲学はシンプルで、安売りするなということ。具体的な手法は徹底したコスト管理、中間マージンの排除、直接仕入れの励行などさまざまあるが、この話にはオチがある。売れ筋商品、基幹商品をどこで見極めるのか、経営者の才覚が成否の分かれ目と言っている。同じことが旅行業にもいえるのではないか。当社は価格破壊に近い商品を出しすぎているのかもしれないと反省している。新経営陣になり、商品開発力を磨き、連盟や協会の皆さまにも納得していただける高品質の旅行商品を提供していきたい」と語った。