ドクター安達の海外旅行記パート9 

KokusaiTourist2011-10-15

ドイツ中南部7都市を巡るドイツ環境視察ツァーその4
その1http://d.hatena.ne.jp/KokusaiTourist/20111011
その2http://d.hatena.ne.jp/KokusaiTourist/20111012
その3http://d.hatena.ne.jp/KokusaiTourist/20111013


4日目 2011年10月5日(水)
 カールスルーエ市庭園局担当ミューラー氏からお話を聞く
 少し早く市役所につく。9:00定刻に担当のミュラー(Müller)氏から説明を聞く。

私は庭園局の責任者で290人のスタッフがいます。
カールスルーエは、もともと緑の多い町。城を中心に放射状に町が作られました。外側が工業地区、内側が住宅地区です。高層ビルは禁止されています。緑化は市の責任で、森林・湿地・野原・市街地を緑が切れないように繋げています。土地利用計画というのを私が責任で立てますが、市民からの提案を広く受け入れ、専門家が議論します。
ビオトープ計画というのがあります。農耕地と道路の間に緑地化スペースをつくります。生垣の作り方も指導し、動物の隠れる場所を確保します。トカゲが増えました。直線だった小川を曲がりくねった近自然型に作り変えました。淀みがあるところに魚や水生昆虫が棲みます。屋上庭園も普及しています。
緑地化の意義ですが、憩いの場所、景観がよくなる、動植物が繁殖する、草木を増やすと洪水時の水保全の役割を果たします。私たちは緑地を増やして涼しくなったのを肌で感じています。むかし、ここはドイツで一番暖かい場所でした。50年後気温の2℃の上昇が予想され懸念しています。将来を見すえ、今できる策をとっていくことが大切です。
質疑
Q:屋上庭園の加重計算していますか?
A:しています。大きな屋上庭園になると議会の許可が必要です。20〜30cm厚の土がいります。
Q:どんな人が清掃していますか?A:土地管理は1131haで、市が56%、民間が44%管理しています。
Q:芝生の管理が大変でしょう?A:路面電車は市の担当。5回芝刈りの予算を計上し、あと3回くらい特別会計で実施しています。
Q:財源・予算の問題で一致できていますか?
  人件費を含む支出が3000万€、事業収入は900万€。税金を増やすために企業誘致を考えているが、企業=自然を破壊する?で環境との兼ね合いが難しいです。予算が足りないので計画は延び延びになっています。
米軍飛行場跡のビオトープ、直線だった川を近自然に近づけた公園、
ライン川堤防と畑の緑地スペースを視察
 10:30バスに乗り現場を見て回る。米軍飛行場あとのビオトープ小山にはうさぎやもぐらりすなどの小動物の隠れ家、とかげ、蝶や蛾が棲むようになってきた。鹿もときには現れる?!
日本なら有力企業が手に入れて、大ショッピングセンターか、大学かマンションを建てるところか。
 
昼食はサケのムニエル
12:45私たちはその駅のすぐそばのホテルのレストランで昼食。ウエイトレスとのツーショットも。
フライブルグへ向かう 14:10出発。車中の長谷川解説。
『レストランに行くとどこのワインを飲まれますかと聞かれます。ワインの話を。ドイツには、11のブドウ畑があります。フランケン、ライン、モーゼル、バーテンヴェルデンなど。
ワインの要素として、?土壌、?苗、?太陽の当たり具合(日照時間)、?何年もの?、?アルコール度があります。糖分(アルコール度)が上がると白ワインは透明な淡黄色から濃い黄色に変わります。値段で分けると7種類ほどあります。
ウエイター・ウエイトレスの給料:店によってまちまちだが、固定給(10万円くらい)+担当テーブルの売り上げ+チップ など。

5日目 2011年10月6日(木)
 フライブルグ ➝シュツットガルト
フライブルクはドイツ南部、フランスとスイスの国境に近い人口約22万人の中核都市である。
1970年代に黒い森(シャヴァルツヴァルト)が酸性雨により枯渇の危機に瀕し、なおかつ近郊のヴィールに原発建設計画が持ち上がって原発反対運動が起きたのをきっかけに、世界でも先進的な環境都市づくりを行ってきた。
 その環境政策は総合的で、廃棄物・リサイクル政策、自然エネルギー政策、交通政策、都市・景観政策などからなる。エネルギーでは脱原発自然エネルギー推進、大気汚染対策として交通面では都心への自動車乗り入れ制限・路面電車および自転車利用の強化、エコロジーを重視した団地造成・エコ住宅の推進である。

環境首都フライブルグ まずはシュミット氏から話を聞く
9:00ホテルから歩いて会場の職業学校へ行くと、もうエアハルト・シュミット氏が待っていた。みんなに名刺を配り、さっそく校庭に設置してあるソーラーシステムのパネルを解説。その後太陽光発電のコレクター、モジュ-ル、水管ポンプなどの実物を見る。太陽光発電所の中でOHPを使って説明を受ける。
市街を歩いて散策 市庁舎・大聖堂・エコ店舗などを見て回る
10:15終了。10:30から市内を歩く。ALBERT-LUDWIGS UNIVERSITÄT FREIBURG は、今はSOLAR UNIVERSITÄTと名前を変えてSOLARに関する研究を行っている。
市役所の裏に回る。ここにもSolar Panelが設置してあった。表に回ると昨日来た新旧市庁舎広場に出る。旧市街のこの辺りは歩行者専用となっていて、シュミットさんたちが1972年に提案し数年後に実現したものだそうだ。改築中の大聖堂へ、広場では野菜・果物の朝市をやっていた。最も古い城壁、500年前に植えた菩提樹の木のある停留所から路面電車に乗る。

フライブルグ駅の自転車駐輪場 屋根にソーラーパネル
11:50フライブルグ駅で降りる。すぐそこにソーラーパネルを備えた自転車駐輪場がある。1000台収容、借り賃は1€。施設の中にも入ってみる。
パーク&ライドの駅を見学
12:20電車で移動し、パーク&ライドの駅を見学。200台の車を収容できるそうだ。日本のような無味乾燥の駐車場と違って、ここでも近自然型にという配慮が行き届いている。
環境に配慮したリ−ゼルフェルト地区を見学 
さらに乗り継いでリーゼルフェルド(Rieselfeld)地区へ。100年前、320haの土地があった。ここの38haの土地に 、1万2000人を住まわせる計画を作った。すべて買い取り住宅で現在1万人くらいが住んでいる。72%の住民が他地区からやって来た。車を必要としない低エネルギー生活をめざし、駅は300mごとにつくった。若い世代の人口が増え、学校、ギムナジウム、スポーツキンダーガーテンの施設も増えた。
ちょうど下校時間にあたるのだろう、街が若者であふれている。小学生から高校生が多い。若い人たちはみんな生き生きとしている。できるだけ子どもが入らないように写真を撮っていたが、両手を挙げ喜んで写ってくれる若者もいた。

昼食はインドカレー 13:20お腹をすかしてやっとインド料理店へ。3種類のカレーで、思いの外うまく、おかわりをしてしまった。甘いインドテイーを飲む。

午後はまず集合住宅の間にある児童公園を回る
14:15再び散策開始。4〜5階建ての集合住宅、窓に原発反対の垂れ幕を掲げている家があった。住宅付きの庭も広い。その住宅の間につくられた児童公園を見て回る。
できるだけ自然に近い子ども公園をつくるよう工夫されている。日本ではとても考えられない、多自然・近自然型の公園だ。 
一回りしてやって来た隣の駅は、Geschwister- Scholl- Platz駅となっていた。ヒットラーに反対したビラを撒いて投獄され、3日後に殺された白バラ教団の若いショル兄妹の名前のついた駅だった。参加者の何人かは彼らのことを知っていた。

新しい住宅街ボボン地区を歩く ソーラー・エコ住宅にお邪魔する
15:05ボボン(Vauben)地区に。1992年までフランス軍が駐留していた土地を市が買い取り、6000人が住む街を計画したとのこと。住民の65%が他地区からやって来た。カーシェアリングも行っている太陽光パネルを備えたソーラーガレージ。その隣のスーパーマーケットにもソーラーパネルが。このスーパーマーケットは全国6000店舗を持つが、ドイツ南部の店にはすべてソーラーパネルを導入することに決めたそうだ。
 
ある建築家が建てたエコ住宅を見学。できるだけ太陽のエネルギーを吸収するよう太陽光パネルも上下に動くが、家自体も回転するようになっている。
16:05次いでソーラー住宅に住む○○さんの家を見学させてもらう。木造が基本になっている。庭も広く、ビオトープになっている。
シュツットガルト
 市経営のレストランで最後の晩餐

 車中はもっぱらパソコン打ち。今日の部分を打ち込む。途中雨も降り、交通事情も悪く、着いたのは19:30になる。レストラン側も予約客が来ないので心配していたのではなかろうか?
 メニューはステーキとコロッケ。デザートのフルーツとアイス3カップは、とても食べ切れない。テーブル担当は若い男女のペア、いずれも美男美女で食後の記念ショットが楽しみだ。
ちょっと待ってよ、記念写真を撮らなくちゃ。大西さんを捕まえてシャッターを押してもらう。若い女の子に頼んだらちょっと躊躇したので、男のウエイターと一緒にスリーショットにする。
21:15ホテル着。ロビーの玄関先のじゅうたんにBienvenido (ようこそ)とスペイン語で書いてある。受付の女性は黒髪でスペイン人いうより中南米のラテン系のように見える。