福島から沖縄避難増加 東日本大震災8ヵ月

琉球新報2011年11月11日より
 東日本大震災から8カ月がたつが、現在でも福島から県内への避難者が増え続けている。県防災危機管理課によると、県別で避難者数の統計を出し始めた6月以降、月平均50人のペースで新たに福島から沖縄へ避難している。県被災者受け入れ対策チームの大濱靖副参事は「福島の中でも、原発から30キロ圏外からの避難者が多い。放射能不安が大きい」とみている。福島第1原発事故に伴う放射能汚染の不安が拡大している現状が浮かび上がっている。
 県防災危機管理課によると、11月3日現在、県と市町村が把握する自主避難者を含めた避難者は804人。うち、福島からは529人と大部分を占める。6月16日時点では、273人で、256人増えている。大濱副参事は「4、5月までは津波で自宅が被災した宮城県の避難者が多かったが、被災地に仮設住宅ができ始めてからは、福島からがほとんどになった」と話す。
 沖縄福島県人会(古川美喜男会長)の木村貞夫事務局長は「最近は原発から約50キロ離れた福島市郡山市からの避難者がいる。特に、若い母子の避難者が目立つ」と語る。「子どもを放射能から守る会おきなわ」の龍野愛代表は「被災地では県外への避難に『地元を捨てるのか』と非難する風潮があり、避難をためらっていた母親たちが自分で決断をし始めたのでは」と避難者の心情を察する。
 大濱副参事は「県の避難者向け民間住宅借り上げ制度など避難者を受け入れるシステムは機能している。今後は、避難者が沖縄で自立できるよう、ハローワークなどと連携し、雇用機会の情報提供に一層、力を入れていきたい」と話した。