消費税増税のウソと欺瞞3

社会保障ために消費税アップ?
消費税なくす会のホームページより
 民主党政権は選挙の時には「4年間は消費税を引き上げない」といっていましたが、6月には「社会保障と税の一体改革」の成案を決定、消費税を2010年半ばまでに10%まで引き上げるとし、通常国会に提出することを言明しました。同時に社会保障についても大改悪するというもので、年金額の削減、保育への公的責任放棄、高齢者の医療費負担増、外来受診時の定額負担などが議論されています。
 これでは庶民は消費税増税社会保障改悪のダブルパンチ、負担が増えるばかりです。各国の社会保障の財源構成を比較した表を見て下さい。イギリスでは消費税の割合は11.4%、ドイツは10.7%、フランスは4.5%、イタリアは8.8%、スエーデンは12.3%などで、ヨーロッパの社会保障は消費税によってささえられているのではないことがよくわかります。日本との決定的な違いは、大企業の「事業主保険料」です。そしてその他の税=所得税法人税などの累進制度の税です。 日本が社会保障を充実させる最大の道は大企業が社会的責任を果し、社会保険料や税を負担することです。社会保障のために消費税をーという目的税になれば、社会保障をよくしたいといえば、消費税増税を、消費税増税がいやなら社会保障は改善できない、と泥沼になるばかりです。

ヨーロッパに比べて日本は低い?
たしかに消費税(付加価値税)は、ドイツ19%、スウエーデン25%に対して日本は5%ですが、数字だけで高いか低いかとは決していえません。
 日本は大根もダイアモンドも一律5%で非課税はほとんどないため、生活が消費税づけで、消費支出の何と89%にも消費税がかかっています。一方、欧州の消費税を見ると、例えばイギリスでは標準税率は17.5%ですが、食料品、上下水道サービス、新聞、雑誌、書籍、子どもの服や靴にいたるまで日曜生活費はゼロ税率です。生活費非課税が行き届いているために、消費税がかかっているのは消費支出の62%なのです。スウエーデンは標準税率が25%ですが、消費支出の割合は58%、イタリアは同じく20%に対して52%です。日本は消費税率は5%ですが、こうした結果、税収全体に占める消費税収の割合は、イギリスは17.5%の税率に対して22.0%、スウエーデンは25%の税率に対して24.6%と比べ、日本は税率が5%でもすでに14.7%になっており、決して低いとは言えません。