全日空も燃油費値下げ

4月発券分から適応条件変更
WEB版業界紙トラベルビジョン2012年2月23日(木)より
 全日空(NH)は4月1日から5月31日発券分の燃油サーチャージを引き下げた。燃油市況や為替レート、市場での競争環境などから総合的に判断し、適用条件を改定したことによるもの。改定後の適用条件は、すでに変更を発表済みの日本航空(JL)と同様の水準としている。http://d.hatena.ne.jp/KokusaiTourist/20120218
 4月1日から5月31日発券分は、燃油サーチャージの基準となる2011年12月から12年1月のシンガポールケロシン市場価格の2ヶ月平均が124.92米ドルであるため、現行と同じ120米ドル以上130米ドル未満の条件が適応される。改定により、たとえば韓国間では2500円から2200円に値下げし、欧州、ハワイを除く北米、中東、オセアニアでは2万5000円から2万3500円に値下げした。



下記は同紙「総評」から抜粋
実際の燃油の市況価格は大きく変化していないのですが、円高などの影響を考慮して適用条件自体を引き下げたということです。燃油サーチャージの値下がり自体は歓迎すべきことですが、長距離線で往復5万円が4万7000円になっただけですから、大きな変化ではありません。
 日本航空(JL)の3月までの正規割引運賃を見ると、例えば欧州では往復3万4000円からに設定してい、これとは別に5万円の燃油サーチャージを徴収するわけです。本体運賃よりも高い「付加運賃」など冗談のようですが、何かのキャンペーンで無料航空券が当たっても燃油サーチャージが5万円かかるという事態もあり得ます。これが4万7000円になったからといっても喜べるものではありません。
 個人的に最大の疑問は、燃油サーチャージが一番安い(欧州で往復7000円)のタイミングで、あるいは「非適用」の際にも同じ3万4000円からの運賃を設定できるのかという点です。もしそれができないのであれば、透明性などあったものではありません。需要や景気などその他の条件が異なり検証が難しい問題ではあるものの、重要なポイントでしょう。
 法的な制約の有無はわかりませんが、「空席連動型運賃」が販売できる時代ですから「燃油連動型運賃」も技術的には設定可能でしょう。日本旅行業協会(JATA)は「燃油サーチャージの本体運賃への組み込みによる廃止」の目標を取り下げてはいないはずですので、是非とも働きかけを活発化してほしいものです。(本当は消費者側の声が高まるか、旅行業界として集約できれば良いのでしょうが…。)