兵庫労連(兵庫県労働組合総連合)機関紙12月号に

○○○労協国際ツーリストビューローの紹介記事
全労連前政策総合局長寺間誠治氏が期待を寄せる!


労働者協同組合は新しい働き方』
 労働者協同組合」は、2000年12月に「『協同労働の協同組合』法制化をめざす市民会議」が結成され、08年には「連絡会」の会長を務める連合元会長の笹森清氏が「ワーカーズ協同組合法(仮称)」を公表し、国会上程には至ってないものの超党派議員連盟が「協同労働の協同組合法案(仮称)要項(案)」を確認しています。
ILOは2002年の総会で「協同組合の促進に関する勧告(第139号)」を採択しました。勧告では、「協同組合」とは、「協同で所有され、民主的に管理され、自発的に結合された自主的な人々の団体」だと規定しています。
労働者協同組合」として、新しい労働の形を実践している国際ツーリストビューローの取り組みを紹介します。


「労協国際ツーリストビューローとは」   理事長 富田 秀信
4年前、53年間の株式会社から発展的に労働者協同組合(略称 労協)に組織移行しました。
 旅行業でもっと良い仕事をしよう、そのために地域に役立つ組織にと、現在京阪神中心に170名超の出資組合員の参画で運営しています。
 移行記念事業として、映画「いのちの山河」製作上映運動を兵庫県内で行い、連動して「沢内村追体験ツァー」も行いました。また昨年の「3・11」以降、旅行業者として「原発NO、自然エネルギーへの転換」で国内、海外で様々なツァーを行ってきました。 
 私たちがめざす労協は、「旅とは本来人間らしさを求める願い」という信念からを大切にし、旅と文化をリンクした企画、人間交流、過去から未来への架け橋としての旅づくりを目指します。また、旅をとりまく環境をより良くするため、利用者との新たな協同に努め、市民レベルでの運動参画で、協同の輪を拡げて社会に発信し行動します。
 この新たな道「ディーセントワーク&ライフ」を大きく花開かせるため、皆さんと良い旅をご一緒に創りあげたいと思っています。 


“国際ツーリストビューローに期待”
○○○○○○○○ 全労連前政策総合局長 寺間 誠治)
 全労連や民主団体がお世話になっている国際ツーリストビューローが4年前、運営の母体を「協同組合」に変更した。2012年は国際協同組合年とされており、記念すべき年に株式会社から協同組合になったことの意義を考える。
 そもそも協同組合は、民主的な運営や管理が行われ「営利を目的としない」組織であって、労働組合とは表裏の関係にある。組合員は、事業の利用者であるとともに出資者として経営への参画者にもなる。そのため、組合員個人の自覚を高めることが求められる。
 協同組合は、19世紀にヨーロッパで始まり世界各地に広がったが、その国際的な連合組織であるICAには、96カ国が加盟(本年3月現在)し、関連する組合員数は、世界で10億人にもなる。ICAは、①自主的で開かれた組合員制、②組合員による民主的な管理、③組合財政への参加、④自主、自立、⑤教育・研修、広報、⑥協同組合間の協同、⑦地域社会への係わりを協同組合の「7つの原則」として打ち出している。私は、イタリア協同組合の調査に行った際、さまざまな協同組合が労働組合と協力しながら事業を民主的に管理し、共通の経済的・社会的ニーズを満たすために活動していることに大いに感銘を受けた。
 国際ツーリストビューローが、自主的に開かれた協同組合として、兵庫労連をはじめ地域社会や労働組合とのつながりをいっそう強め、さらに飛躍されることを期待している。