地球へ途中下車第12回

素敵な熟年ご夫婦の1年間世界旅行の記録

前回までhttp://d.hatena.ne.jp/KokusaiTourist/20130303

今日からいよいよインドです。

2011年07月25日(月) 01時56分21秒
インド

【間違いなく最悪…インドのユース】

あんなにも、居心地のよかったタイを離れて、6か国目、インドに上陸。

ものすごく身構えて
「よっしゃーインドと対決や!」
…と空港を出たのに、拍子ぬけするぐらい簡単にタクシーに乗れたので
「なーんだ。言うほどでもないじゃん。インド」
…と思ったのは

大あまだった

「yes yes I know」っていうから安心してたら、さんざん迷いに迷い、同じところをぐるぐるまわって、料金は1、5倍ぐらいに。ホントに知らなかったか、わざとなのかは不明…

そしてたどりついたユースホステルは間違いなく、いままで泊まったユース、いや人生史上、経験したなかで

最悪の宿です…

守衛がガードするものものしい門をいったん中に入るともう外へは出られません。館内に飲み物、売っていない…ウオーターサーバーがあるからそこから空のペットボトルに水を汲んで飲め。って、ほんとに大丈夫なんでしょうか? この水…。
お部屋のカビ臭さと、マットの湿り具合、中学校の体育館裏の倉庫以上です…
トイレ、シャワー、共有ですが、お湯が出るかどうか?というレベルではなく、まず、水がまともに出るかどうかが重要な問題です。

しかも時々、突然停電する…

ホテルステイというよりどちらかというと

監獄収監に近い感じです…

明日からの展開が心配…

2011年07月26日(火) 12時36分16秒
インド
【旅行者は歩くATMかっ?アグラー行き切符を求めて】
今日はへとへとになりました。
「オリエント特急殺人事件」に遭遇したからです。(ネタばれあり)

キーワード1:アグラー行きの切符はニューデリー駅2階のFTB(外国人専用のビューロー FOREIAGN TOURIST BUREAU)で売っている。インド人はそこでは切符を買うことはできない。

いざニューデリー駅へ!
史上最悪の監獄ユースホステルを抜け出し、アグラー行きの切符を入手するため、ニューデリー駅へ。ユースホステルの前で客待ちをしていたトクトクを見つけ値段交渉するはずが、距離換算で昨日のタクシー代の半額弱の値段を提示され、即決。インド人だって良心的な人がいるんだね(?)。

トクトクの運ちゃんはセールスマン?
ニューデリー駅に直行…するはずが、やおら携帯電話を取り出し、「今日、ニューデリーに泊るならチープなホテルを紹介する」としきりに話しかけてくる。
「ホテルは決めているから(決めてないけど)、早く駅に行って」
しばらくすると、ニューデリーの名所を通過するたびに簡単な説明をする。
また、携帯電話を取り出し話し始め、ついに道端にトクトクを止めて3分。「ハリーアップ」といっても動かない。「?」ようやく動き始めたら、急にガタガタ道の横道に入った。トクトクから振り落とされそう。
でも、遅れた分をとりもどし、早く着くための近道に違いないと…。
トクトクはゆっくり止まる。ニューデリー駅ではなく、汚い旅行会社の前に。
「この旅行会社は親切でチープ」
「誰が旅行会社の紹介を頼んだ! 早く駅に行け」と語気を強める。
これってよく書かれている客を連れてきてなんぼ(買う買わないは関係なく客を連れてきただけで手間賃がもらえる)の話か。
そうすると、運ちゃんは親切な人でなく、商売上手なインド人。言い値で乗ったトクトクはめちゃめちゃ高い乗り物だったのか。ショック!
いくら鈍感な我々でも気がついた。今度止まったら、払わないと交渉するぞ!
トクトクはついにニューデリー駅に到着。

ニューデリー駅には親切なインド人が一杯!
一階の喧噪ぶりは聞きしに勝る状態。インド人・インド人・インド人・犬・インド人。長蛇の列をつくって押すなへすなで切符売り場に並んでいる。床でしゃがむ人、寝ている人。寝そべる犬。そこをかきわけ、かきわけ、2階へあがる階段を捜していると、「この階段を上がるとあるよ」と教えてくれた。上がると待合室と仮眠所、そして小さい部屋がいくつもある ? 振り向くと教えてくれた親切なインド人が「そこだ。だが鍵がかかっているだろう?今の時間はやってない。やっているのはDTTDC(何の略か不明)だ、ガイドブックを持っているなら、見せてごらん。コンノートプレイス付近の地図を開き、「ここがDTTDCなのだ。ここで切符が買える」「違う。FTBに行くんだ」とガイドを取り戻し2階を進む。「あなたはクレジーだ」「クレジーで結構」とこの親切なインド人と離れる。

FTBがない…
2階ってどこだ? ニューデリー駅を1階から再度、探索。またまた困っている旅行者に声をかけてくるインド人。「今日はやっていないよ」「2時間前にクローズした」。嘘ばっかり、予めその手は学習済みだ、うるさいあっちへ行け。
でもどうしてもFTBが見つからない。
そうだ!閃いた。ここはイギリス式、日本でいう2階は3階のことだ。3階に行こう。3階も小さな部屋があるばかり、FTBは見つからない。

ついに切符が入手?
とうとう二人で「とりあえずホテルに行って相談しようか」と話をしていると、小さな部屋から出てきた親切なイント人が声をかけてくれた。「FTBを捜している」「アグラーに行くのなら切符売場を教えてやるよ。私について来なさい」
捜し始めて1時間、これで切符が手に入る。親切なインド人は3階から1階へ私たちを案内し、とある列に並ぶように指示した。ここは「****」だ。「****?」「列の先頭に行けば分かる」妻は列の先頭へ。夫は列に並ぶと親切なインド人は「この列はアグラーまで立って行く列だ」「えっ、話が違う。我々は…」そこへ妻が男と一緒に戻ってきた。話を聞くと「ここはFTBではない。今日のFTBは終わったので、今日切符が入手できるのはDTTDCだけだ。ガイドブックを見せてごらん」最初に教えてくれたインド人と同じDTTDCを指差した。納得した。「トクトクで10ルピー行ける。騙されちゃだめだよ」親切なインド人は我々を案内してトクトクマンとDTTDCまで10ルピー、と交渉までしてくれた。


キーワード2.ガイドブックは熟読すべき。
手がかり発見1
トクトクにはメーターが付いているの知っている?ガイドブックに書いてある。
このトクトクにはメーターがついていて出発すると同時にメーターが上がる。DTTDCに到着したときメーターは16ルピーを示していた。当然、不足分の6ルピーを請求されると思ったら、運ちゃんは親切にもDTTDCの事務所内に我々の荷物を運び入れ10ルピーを受け取った。不足分の6ルピーは…?

手がかり発見2
DTTDCの担当者は日本語の読み書きは当然、発音も正確に話ができるインド人。
「インドは今が夏休みでインドの旅行客でいっぱい、それにヨーロッパ人も多く来ていますので今日から3日間の切符はもう売り切れています。あなたたちインドでの滞在は?あと8日間? なら明日からミニバンでデリー・ジャイプル・アグラー、電車でバラナスを回るの組み合わせほうが現実的で楽しめますよ」。
「私たちは電車の切符を買いに来た」
「切符はもう売り切れているのです。アグラーには30日まで行けない」
「わかった。もし、そのミニバンを使ったツアーなら、いくらになりますか」
「一人3万3000円です」
「我々にはそんな予算はない」
「ガイドブックを持っていますか? 見せてください」
ガイドブックを渡すと一発でページを開き、「ここに一人○○円ぐらいと書いてあります。これに比べると大サービスです」
敵は対応する外人ごとにガイドブックをよく読んで、下調べをしていると感心した。
他にも5つぐらいの個室があり、西洋人などが商談中だった。
だけど、絶対におかしい!
「申し訳ない。今は契約しません。もし、お願いすることがあれば、後で伺います」
「信用してもらえなくて残念です。あなた方は私にお土産を持って来たいと思うぐらいすばらしいツアーになりますよ。賭けてもいい。もし明日のアグラー行きの切符が取れたら、私、あなたにお詫びに5万円払ってもよいですよ」

手がかり発見1の補足
DTTDCの事務所を出ると、あれ? さっきのトクトクの運ちゃんが前で待っていた。
ニューデリーの駅までいくら?」
「20ルピー」
じゃさっきはなんで10ルピーだったんだよ!

希望の灯が見えた
夫と妻、決然と駅に戻ってきました! 
疲れたので先にホテルに行こうと地図を見ていた妻が「地図と駅前の様子が違う。逆と違うか。線路の向こう側にも同じような駅舎があるのと違うか」と叫んだ。
「そんなバカな。夕べ泊まったホテルと駅の位置関係から見て西口に着いているのに間違いないよ。それに歩き方の地図によると東口には駅舎がない」
「駅の向こう側にも駅舎があるかどうか、確認しよう」。切符を探し始めてからすでに3時間。疲れていることと出口が見えないことでお互いにピリピリし始めていた。

再度駅舎に入り、西口を目指す
駅に入り、今度は線路を越えて歩き始めた。10分、ついにFTBの矢印看板を発見!われわれは元気を取り戻した。

悪夢再び…
案内看板に導かれて、これでFTBへ行ける。
「しかしこれからが本番、いろいろ書かれていた邪魔がこれから入るんだ」と冗談を言い合った。
旅行者スタイルのわれわれを見て、またまた親切な(?)インド人が声をかけてくる。
「FTBに行くのなら、この階段を下りるんだ」
「そっちには出口と書いてある。案内板はまっすぐ行けとある。うるさい! ほっといてくれ!」

手がかり発見2の補足
西口に近づくほど親切なインド人の数は増えていく。
少し前を歩いているインド人が係員に切符を見せている。われわれが係員の前に着くと居丈高に、
「おいおい、切符は?」
「持ってない。切符を買いにきた」
「ここから前には進めません。どこに行くのですか」
「FTBに」
「FTBは移動した」
「どこに」
「ガイドブックを持っていますか」
ガイドブックを受け取るとコンノートプレイス周辺の地図を開き、
「DTTDC、ここで切符が入手できます」
「そこには既に行ってきたんだ! ガイドブックを返せ」
声がだんだん大きくなる。


そっ、そんな
高架を越えて駅に向こう側に着くと…駅舎があった!やっぱり、われわれがいたのは東口だったのだ。
でも、2階に行く階段が見つからない。うろうろ捜す。
階段がありそうなほうに進んで行くと、
親切なインド人がまた現れ…
「私は駅員です」と身分証明書を見せる。
「FTBに行きたい」
「今日は2時間前に終わりました。ガイドブックを持っていますか」
またガイドブックか?
「ここ、DTTDCで買えます」
あ、また。
「そこへはさっき行った! そこはツアー会社だ!」
「そう、DTTDCは悪いところ、実は…」
今、おまえ、DTTDCへ行けと言ったやろ、それに駅員が駅舎の外でやる仕事と違うやろ。
逃げるように離れるが、次から次へと親切なインド人が群がるように現れる。
「うるさい。あっちへ行け。昼飯食ってへんから気ぃ、短かなってんやど。それにdrinkや!」
どなろうが、わめこうがそんなこと気にする親切なインド人はいない。

また親切なインド人
「ひどい目にあいましたね。彼らは悪い人。私がFTBへ案内します」
インド人を悪い人といったので、ついていくと切符売り場、人が並んでいる。
西洋人も戸惑いながらどうすればよいのか考えている。
すると親切なインド人は、ポケットから書類を取り出した。これに記入したら切符を早く入手できます。
嘘やろ。並んでいるのはインド人。われわれは外国人の切符売り場を捜しているんだ。それに、早く入手できるのなら、今並んでいるインド人はどうなるんや。この列に並べといったのはお前やぞ。早くあっちへ行け。われわれをかまうな。

ついにFTBを発見
また来よった、親切なインド人。壁の向こう側を指差し「ここがFTB」という。
話しかけるな。あっちへ行け。
親切なインド人は挫けない。叫び続けている。2メートルぐらいだったので、見に行くとFTBへの矢印看板。2階に上がれと書いてある。
親切なインド人は「彼らは悪い人。見つかってよかったね」と慰めてくれた。

キーワード3 日本人は歩くATM

ようやくたどり着いた。クラーがきいたクリーンで静かなオフィス…。あのたたかいは一体なんだったんだ? ソファーに座って並び、やっと切符を手にいれた。
時間を見ると5時間がたっていた。しかも昼飯抜き。
…階段を下りていくと、さっきここを紹介してくれた親切なインド人がいた。
彼はわれわれを見つけると
「切符は手に入ったか?」
「ありがとう」
「ホテルまでタクシーに乗っていけ。決めてないのならいいホテルに案内するよ」
……おまえもかい。
それにしてもFTBで切符を入手するのに、小一時間かかったのに、それをじっと入り口で待ってたのか?…

オリエント急行殺人事件の犯人は乗客全員。
ニューデリー駅の親切なインド人全員は協力して、歩くATM(旅行者)から、現金を引き出そうとしている。
この親切なインド人約18人と親しく話をした。声をかけられても無視した人は数えきれなかった。

よく考えたらたとえばJRの東京駅にFTB(外国人専用切符売り場)があったとしても日本人には普通、関係ないから、100%知らないと思う。だから一般のインド人は知らなくて当たり前なのだ(こちらから聞いたインド人は確かにみな、知らない、と言った)。知っているから教えてやろう、と声をかけてくる時点ですでにおかしいのだ!

それにしても、30日まではアグラー行きの切符は買えないと言ったオッサン。
「オッサン! 私に5万円払えーー!」(妻のおたけび)


※これからニューデリー駅で切符を買われる方へ
2階に外国人専用ツーリストビューローがあるのは、ニューデリー駅の西側、メインバザールのあるほうの駅舎です。線路をはさんでどちらにも同じような駅舎があり、ニューデリーステーションと大きな看板が出ているので、気をつけてください(『…歩き方』の図、紛らわしいです!)。
向こうから話かけてくるインド人の言うことは絶対に聞かず、駅舎の2階に必ずFTBがあることを信じて、親切なインド人とのたたかいに負けない!
※ツアーを組むことが決して悪いとは思いません。それはそれでいい旅になるとも思います。値段もそんなに不適切ではない場合もあると思います。
ただ、声を大にして言いたいのは人を嘘で騙して誘導するのは許せない!ということです!

2011年07月27日(水) 01時02分09秒
インド
【ビバ!インド!】

…ようやくデリー発10時20分発、アグラー着13時50分の列車に乗り込みました!

当初希望していた6時15分発は満席でしたが、どうやら一等(A2)が取れ、しかも4人席のコンパートメント席に2人…。

(食事は注文すると持ってきてくれる)

すこぶる快適な鉄道の旅です!(若干非衛生的であることを除けば)(さっきホームにいたあの大勢のインドの人たちも乗りこめたのでしょうか?…)


切符は2人で678ルピ(1ルピ2円=1人678円)。すばらしい!

(デリー駅の外国人ツーリストビューローで買った実際の切符)


…そう、インドは以下の点を除けば、実はさほど問題はありません。

・まず衛生面が若干気になること(たとえばこの車内のテーブル、お昼をここで食べるのでウエットティッシュで拭いてみました。…設置されて以来、今日まで一度も拭かれたことがないのでは?…と思うぐらい、耳垢ぐらいの汚れがどっさりとれました!)(日本の地下鉄でつり革が直接もてない若者、あと100年ぐらい経たないとインド、たぶん無理です)…。
・外国人旅行者をカモろうとする親切なインド人がいっぱいいてとてもフレンドリーなこと…。
・リキシャ、オートリキシャに乗ると必ず、目的地ではなく、旅行会社や土産物屋、自分の知っているグッドホテルに連れていかれること…。
・道が埃っぽく、人と犬と牛とリキシャ、オートリキシャがあふれかえり、クラクション鳴らした者勝ちで、そこに車が強引につっこんでくるので、気をつけないと轢かれて死にそうになること…
・道に牛や ? の糞がたくさんあって、気をつけないと踏…


…以上の点を除けば、


結構、おもしろい! 
不思議の国、ビバ・インド!です。
(…と書いている最中に2回、停電しました…)

…人だかりができているので、「なんだ、なんだ?」とのぞきに行くと、大きな瓶からカップに汲んだ牛乳をビニール袋で売っていました。
そう、あんなにもチャイを飲むのに、なぜかパック入りの牛乳も牛乳瓶も見かけない! …町で、MILKと書かれたスタンドでも量り売り。コイン式の牛乳販売機を発見。ポット持参で朝は長蛇の列です。

夜、横丁のあやしい小窓に群がる男性たち。みな手に札を持ち、小窓に差し入れ、札と交換に…おお、ウイスキーを手にしています!

さっき入ったレストランのメニューにもビールはなかった! そしてコンビ二まがいの店にもアルコール類は売られていない…イスラム教は飲酒禁止、ヒンドゥー教も飲酒を好まないのか、アルコールは高い、手に入れることが難しいようです。
夫はさっそく、インド人の人ごみに混じり、他の男性を見習って50ルピ札を手に密売(?)にチャレンジ。みごと10ルピのおつりと共にウイスキーをゲット!

<妻はメインバザールで好きそうな柄のピンクのショールを発見! ラッキーなことに値段交渉をしなくても、インド人の女性が先に手に取って値段を聞いてくれているじゃありませんか!「150ルピ」(=300円)。予想より高かったのか、女性は離れて行きました。おー!チャンス。
「これ、150ルピだよね?」
店員、なぜか困った表情で店内のオーナーらしき人物に目で客(妻)を振る。
「オー、マダーム。こっちにもいっぱい。お色違いがいっぱいありまっせ! ほら、見て、見て。これなんかもどう?」
妻、ちらっと見て、やっぱり「これ」、と手にとって、「150ルピだよね」と強く言うと、
「NO!マダーム。それは450ルピ」。

悲しいとき…観光客には地元価格の3倍でないと売ってくれないとき。
買うの、あきらめました。

路上でひげのお手入れするインド。ひげの手入れはインド人男性のエチケットの基本のようです…。



<道に牛が歩いているインド。たまに牛にガンとばされることがあるインド…。

なんだかおもしろくなってきたぞ!
ビバ!インド!
(懲りない2人…)

( ̄_ ̄ i)