地球へ途中下車第13回

素敵な熟年ご夫婦の1年間世界旅行の記録

前回までhttp://d.hatena.ne.jp/KokusaiTourist/20130309

今日も引き続きインド滞在です

2011年07月28日(木) 01時22分10秒
インド
【やっぱりタージマハルは世界遺産


男女別の列に並ぶ
オートリキシャが止まり、小さな屋台が続く細い路地を歩いていくと、大勢の人が男女別の列をつくって並んでいた。チケットを買い(1人750ルピー)夫は男性のかなり長い列の後ろに並び、妻は数人が並んでいる女性の列に並ぶ。係員が夫を妻の後ろに来い、と呼んでくれた。長蛇の列に割り込めという。係員にせかされて割り込み、他の男性の顔を見ると、みな「いいよ、いいよ」といってくれた。
ボディチェック
列の前の男は両手を上にバンザイ。ボディチェックを受けている。かなり厳しそうだ。でも、夫は人畜無害の日本人。簡単にパスできるものと信じてバンザイした。そこからスペシャルボディチェックがはじまった。
上着のポケットからケースに入った老眼用のめがねを取り出した。
「めがね」「OK」
次にデジタルカメラ。これは何も聞かずに返してくれた。
次に、電子辞書を取り出した。
「電子辞書」「?」
スイッチを入れサンプル画像を表示させて手渡す。
「?」
そして電子辞書は係員から上司の手に。
リュックサックの中身が次から次へと白日の下に晒されることになった。
雨傘、水筒、望遠鏡、封を切っていない未使用の防寒用アルミシート(NASA仕様)(防水ケースに入れていた)、ノート、ホールペンなどの小物類…。
電子辞書が再び上司から係員を経て手元に戻る。「使用禁止」。
水筒は中身を確認するため少し飲んだ。望遠鏡は使用禁止、防寒用のアルミシートを説明したが理解されず、結局、開封禁止といったのか外に出すなといったのか不明だがOKが出た。
次に防犯用のチェーンロック。
「これは何だ?」使用禁止。
入場するだけで10位分かかった。次の入場者に悪かった、と思って顔を見ると、笑っていた。どうやら何を持っているのか興味があったようだ。
外国人が珍しいのか、タージのなかでも3組から「一緒に写真を撮ってくれ」と言われた。どうやら95%がインド人のようだ。

別世界に迷い込む
南門をくぐると人・人・人。
そして、正面を見ると憧れのタージマハルが見える。
その白さ、美しさにみんなは我を忘れて記念写真を取りまくっている。
我々も数秒の感激を味わった後、記念写真取りまくりのたたかいに足を踏み入れた。
あっちこっちで「イクスキュズミー」の声が飛び交っている。
しばらくは、拙い写真を楽しんでください。



見事なアングル。アイデア
短時間で撮れたのは、モスクのすみっこを歩いていて、一人のインド人と目が合った。手招きされ、ついていくと、ナイスビューポイントを教えてくれた。
もちろんあとでチップを要求された。100ルピー。やっぱりなあ。いい写真が撮れたので払ってもいいと思ったが、100ルピーは高すぎる。
…20ルピーしか払わないと怒っていた。
最後に…
タージマハルはいわばモスクの一種。ヒンズー教徒がたくさん集まってくるので、女性はあまり足を露出させた格好をしないほうがいい。
妻はいったん、ホテルに着き、シャワーを浴びたため、ショートパンツ姿(若干ひざ上)に着替えて、タージ見学に出かけた。入口ではOKだったものの、何度か視線を感じ、一度、ベンチに座っていたとき、数十人の男性から非難するような抗議するような恐ろしい視線の集団攻撃にあった。
マレーシアなどでモスクを見学したときなどは心得ていたが、うかつだった。あんな恐ろしい体験をしたのは初めてだった…。

─でもインドの女性が着ている夏のサリーって結構、脇腹がまる見えだが、ハラはよくても足はダメなのか?(妻)









2011年07月29日(金) 14時42分08秒
インド【幽閉されていた王様】
インドのまちを歩いているのは人と犬だけではありません。

牛はもちろん…








(駅にもいます)
ラクダも…









ヤギも…










サルも…










リスも…
…みんなふつーに暮しています。




そして妻が子どもの頃から聞かされていた話…
インドでは道を渡る牛の群れが通り過ぎるのを、車がひたすら待つ、という話

…本当でした。…










さてアグラーカント市には世界遺産が3つあります。
一つはシメントリーの美しさが世界的に有名な世界で最も美しいお墓、タージマハル。あと二つが、ファティーブルシークリーと、アグラ城です。

ムガル帝国3代皇帝の夢の都ファティーブルシークリー)


アグラー城の荘厳な外観

でも内装はすっごく繊細で芸術的! どれだけ権力のある帝国だったんだ! 
(いまのインドを見ているとこの技術力の高さ、繊細さは一体どこへ行ったんだ!…と言いたくなります)

アグラ城は、ムガール帝国の権力の象徴であり、亡き愛妻を偲んでタージマハルを建てたムガル帝国第5代の王様、シャー・ジャハーンが晩年、息子によって幽閉されていたお城でもあります。ヤムナー河をはさんで、タージのななめ向かいの位置にあるこの城の囚われの搭からシャージャハーンは毎日、河に浮んでいるように見えるタージマハルを眺めながら、河の向こう岸に自分の墓・黒いタージマハルを建設することだけを夢見て、叶わず、幽閉から7年後にこの世を去りました。

ところでこのタージ、インド人はなんと20ルピで入れるのですが、外国人からは1人750ルピ(=1500円)も徴収します。シャージャハーンは国費の莫大な無駄使いをし
た、と息子に責められたのでしょうが、今から思うとそれ以上に稼いでいる気がします…(維持・修復費用も大変だと思いますが)



…日暮れ前にアグラーカント駅に戻ってきました。(荷物のクロークがあり、朝、預けて行った)。
インドの駅には、待ち時間を過ごす、ウエイティグルームというものがあり、みんな思い思いに床にしゃがみこんだり寝たりしています。

…そしてさすが階層社会、アッパークラス専用のウエイティグルームもあり、一等、二等の切符を提示するとここに入ることができるんですね(成田で言うさくらラウンジみたいなものか?)外国人だったら、なんとなく入れてくれたりもするようです。

やっぱりずいぶんと違います。
なかは外よりちょっとだけきれいで、椅子があって、エアコンが少しだけきいていて、そしてシャワーが使えます(清潔さはあまり期待できない。。使ったけど…)。レディス専用の部屋もあります。
ここにいる人たちはカーストが上のほうの富裕層(?)なんでしょうか。女性のサリーの質や男性の服装、かばんや持ち物、身なりを見ているとそんな感じがします。そしてみな中高年になると一様に太っています。痩せていることは貧乏のしるしで、太っていることが豊かさの象徴なんでしょうか?

それにしても、駅前に飲食店がまったくなく、深夜の列車発着まで時間つぶしに困りました。駅の構内に一箇所だけある軽食レストランはガラガラです。入っているのはほとんど外人。駅全体にあんなに人が多いのに。20ルピのペプシを飲んだり、50ルピのサンドイッチを買ったりするのはやはりごく限られた層なのでしょうか?そして富裕層も含めて、自宅以外で外食をする、という習慣があまりないのでしょうか。

インドはカーストの階層による多重な経済社会が重なりあっているようで、それはお互いに迷い込むことがなく、独立して存在しているようです。我々、外国人もそのどこかの階層に位置していると思われますが、全体像ははかり知れません。

バラナスィへ行く列車が時間通り、23時に4番ホームに入ってきました。今夜は3段寝台の上と真ん中、バラナスィ到着は明日のお昼です。

寝心地はまあまあでした…








2011年07月31日(日) 13時26分20秒
インド
【母なるガンガーに抱かれて】
バラナスィは母なる河、聖なるガンガー(ガンジス河)のガート(沐浴場)があるところです…。

インドの国の隅々から一生に一度はガンガーに浸りたい、と階層に関係なく、人々が集まってくるようで…

その混雑ぶり、芋の子洗いぶりは、夏休みのひらパーのプール以上です。

その水の濁り具合、味噌汁以上です。

……ガートを見に行った翌日、妻、また熱を出してしまいました。
(念のために言っておきますが、沐浴はしてません)

このままここで死んだら、火葬場のガートで焼かれて、灰はガンガーに流されるのか?
(※ヒンドゥー教徒でないので、たぶん無理です)
夫は「空輸便で日本に連れて帰ってやる」、って言っているけど、どっちもヤダ。

ひたすら寝て、寝て、体力の回復を待つ。
身体的体力のなさ、ストレスや気持ちの負担からくる精神体力のなさがどちらも情けない。
次の日の寝台車の切符はキャンセルし、一日、予定を遅らせて、24時間、丸一日、ホテルの部屋で寝て、バラナスィからは飛行機でデリーへ移動することにしました。

今朝はもうすっかり大丈夫。

ガンガーに登る朝日です。

…やはり何かを感じさせる大いなる母なる河です…

そういえば、寝ている間じゅう、ずーっと、子どもの頃の育った家の夢をみていました。
安宿の窓からはガンガーが見えます。
妻が育った家のそばにも川が流れていました。
雨季で増水したガンガーの水の色が、氾濫して濁流になった宇治川を思い出させたのかもしれません。