[オスプレイ配備強行]恐怖と同居はごめんだ

沖縄タイムス社説から
海兵隊の垂直離着陸輸送機MV22オスプレイの強行配備が再開された。…昨年10月に配備された12機と合わせると、24機態勢となる。
 安倍晋三首相は12日、首相官邸で記者団に「住民の皆さまの生活を第一に優先して考えていく。沖縄の負担軽減が少しでも進むよう全力を挙げる」と語ったが、言葉が現実から遊離していてしらじらしい。言っていることとやっていることが逆だからである
 市街地のど真ん中にある普天間に墜落の危険性が高いオスプレイを配備することのどこが住民生活を第一に優先することになり、負担軽減につながるというのか。 
普天間に配備された昨年10月から2カ月間に、日米合意違反が318件に上ると県が指摘しても、防衛省は「合意違反の確証は得られていない」と木で鼻をくくったような回答をしている。運用を米軍のなすがままに委ね、県民生活は二の次というのが実情だ
 安倍首相の真意は…日米合意の辺野古移設を進める狙いである。オスプレイ普天間に配備し、普天間は危険だから辺野古へ移設と言っているようなものだ。論理が転倒している。    ■    ■
 墜落の危険性は、普天間周辺だけではない。オスプレイの演習場を抱える自治体や飛行ルートを考えると、沖縄中が恐怖と背中合わせの生活を強いられるといっても過言ではない。追加配備で恐怖も倍増する。日本のどこにこんな地域があるだろうか。
 墜落事故が相次ぐ。…オスプレイの追加配備が延期されていた。事故原因も判明していない。県議会は抗議決議を全会一致で可決。…宜野座村は22日に村民大会を開く。嘉手納のF15戦闘機は5月に沖縄本島東側の海上に墜落している。沖国大に普天間のCH53大型輸送ヘリが墜落してからきょう13日で満9年になる。…    ■    ■
 昨年9月、オスプレイに反対する大規模な県民大会が開かれた…ことし1月には全市町村代表らが異例の東京行動に出て、安倍首相にあてて「建白書」を提出した。 
沖縄が民主的な手段によっていくら反対の声を上げても、日本政府は聞く耳を持たない。復帰前の1950年代に米軍が「銃剣とブルドーザー」で基地建設のために民有地を強制接収した時代と何も変わらないというほかない
 重大事故が起これば、日米安保は崩れるしかない。日米両政府はオスプレイ普天間配備をやめるべきだ。