あの時代、今と重なる 反戦小説家演じる大竹しのぶさん

朝日デジタル版2014年1月24日22時25分より
日本はどこへ向かっていくんだろうという不安な時に、この芝居ができることがうれしい」と話す大竹しのぶさん。若い人にたくさん見てもらいたいという

 特定秘密保護法を作った安倍政権は、集団的自衛権の行使容認、憲法改正へ向けて動き出した。東京・新宿で上演されている井上ひさし作「太鼓たたいて笛ふいて」。従軍記者から戦後、反戦小説家となった林芙美子を演じる俳優の大竹しのぶさん(56)には、あの時代が今の世の中と重なって見えるという。

 2002年に初めて演じてから4度目の公演となる。「前よりも深く、真実味を感じている。いまの日本の状況をみて井上さんが書いたのかな、と思うほどです」。5日目の公演を終えた20日、大竹さんはかみしめるように話した。

 劇の中で「物語を決めるのは この国のお偉方」と歌い、芙美子は従軍記者になる。しかし、日本軍による侵略を目の当たりにし、ウソの物語に踊らされたことに気づく。「無知な人間の妄想ほどおそろしいものはないわ」