増税強行でわかったこと その1 “便乗値上げ”は想定内の消費増税ではないか…

納税義務者である事業者の課税対象は、個別取引高ではなく年間の課税売上総額だから、事業者が商品ごとで「価格据え置き」「値下げ」「値上げ」などの価格政策をとることはある。商工会議所のマニュアルもそれらを「奨励」している。増税前の売上確保のために特定商品を増税率以上に値上げすることもあるだろう。
 しかし、中小事業者などは、売上が減少し赤字になっても納税を迫られる消費増税の下で、事業の存廃をかけて価格政策を打ち出しているのだ。そういう“企業努力”を十把一絡げに、ただ“便乗値上げ”などとして、消費者にとって由々しきことだと非難するのは如何なものだろうか。仕入時にかかった税額相当分を価格に反映せざるを得ない税制そのものに問題がある。どだい、総額方式の税制なのだから個別商品 について便乗値上げと言っても始まらない。
 

ましてデフレ脱却をいいながら、本気に賃上げにつながる政策を打ち出すことをせずして、公共料金や大企業の独占物価などが引き上げられるだけの消費増税の強行こそが批判されるべきで、増税を中止し5%にただちに戻す世論の喚起が求められる。