米軍レーダー建設開始 京丹後、反対派が抗議行動

下記記事 いずれも京都新聞より

Xバンドレーダー配備のため、ショベルカーによる整地作業が始まった米軍経ケ岬通信所の建設現場(27日午前10時55分、京丹後市丹後町)
 米軍は27日午前、弾道ミサイル探知に向けて「Xバンドレーダー」を配備する米軍経ケ岬通信所の建設工事を、京都府京丹後市丹後町で始めた。早朝から工事車両が入り、基地反対派の市民団体が抗議行動をした。完成すれば、近畿唯一の在日米軍基地となる。
 米軍経ケ岬通信所は、航空自衛隊経ケ岬分屯基地に隣接し、新たに借り上げた民有地など約3・5ヘクタールに開設。管理棟や倉庫、発電機などを建て、10月ごろに移動式のレーダー本体を搬入する。軍人軍属らが最大で約160人配属され、年内に運用を開始する予定。国内での配備は、青森県つがる市の米軍車力通信所に次いで2基目となる。
 同日午前6時半から、ショベルカーやトラックなど10台以上が順次到着。作業員が敷地を覆うフェンスの設置工事を始めた。防衛省によると、工事用道路や事務所の建設から着手する。
 午前9時から工事現場近くで、反対派の市民団体が横断幕を掲げ、「京都に米軍はいらない」と訴えた。
 政府によると、米軍基地工事は日米安保条約により、日本の環境影響評価法などの法令は適用されない。
 京都府防衛省に対し、防衛省が実施した電磁波・騒音の事前調査結果の早期公表、飛行制限区域やドクターヘリなどの運行確保策を早急に示すよう求めているが、同省はまだ回答していない。【 2014年05月27日 14時00分 】

京丹後Xバンドレーダー近く着工 地元連絡なし
 航空自衛隊経ケ岬分屯基地京都府京丹後市丹後町)への米軍Xバンドレーダー配備計画で、米軍が工事業者に着工を許可したことが、23日分かった。週明けにも着工する見通し。京都府京丹後市は、工事車両の通行など安全対策の観点から再三、防衛省に対し、着工日を事前に伝えるよう申し入れているが、連絡はないといい、情報開示の不十分さが浮き彫りになった形だ。
 在日米陸軍司令部(神奈川県座間市)広報室によると、5月2日に工事業者が決まり、14日には着工を許可する書類を業者に交付したという。
 防衛省は4月の地元説明会で「5月着工、12月運用開始」を明らかにしたが、以降は「米軍から情報が入ってこない」「米軍が業者と契約したとは聞いていない」とし、具体的な工事のスケジュールや内容を説明していない。
 近畿中部防衛局報道官室は「着工の情報が入れば、地元自治体を通じ住民に伝える。工事の直前にならないよう、前もって周知する必要がある」としていた。
 Xバンドレーダーは北朝鮮などの弾道ミサイルを探知・追尾する高性能レーダー。国内では空自車力分屯基地青森県つがる市)に次いで2基目。用地は経ケ岬分屯基地の敷地と、隣接の米軍基地用地3・5ヘクタールなど。米軍基地用地は地権者と賃貸借契約を完了しており、まずは造成工事に着手するとみられる。

京丹後レーダー「米軍専用区域」に 関西で唯一の基地


基地内で工事が行われ、緊張した雰囲気に包まれる航空自衛隊経ケ岬分屯基地京丹後市丹後町)
基地内で工事が行われ、緊張した雰囲気に包まれる航空自衛隊経ケ岬分屯基地京丹後市丹後町) 27日に京都府京丹後市で着工予定の弾道ミサイルを探知する「Xバンドレーダー」を配備する米軍基地が、日米地位協定2条による類型のうち、「米軍専用区域」に位置づけられていることが26日分かった。関西では唯一の在日米軍基地となり、名称は米軍「経ケ岬通信所」に決まった。
 昨年2月の日米首脳会談でXバンドレーダー追加配備計画が明らかになって以降、日本政府は航空自衛隊経ケ岬分屯基地(同市丹後町)内に米軍レーダーを配備すると説明してきたが、自衛隊との共同利用施設か、米軍専用施設か、位置づけがあいまいだった。
 防衛省によると、米軍経ケ岬通信所は、空自経ケ岬分屯基地の敷地の一部と周辺に新たに借り上げた民地約3・5ヘクタールに建設される。地位協定上、米軍が管理し、米軍だけが使用する「専用施設・区域」があるのは、これで14都府県となり、面積では7割が沖縄県に集中している。
 在日米軍は整地作業などの工事を進め、Xバンドレーダーの12月末運用開始を目指す。防衛省によると、前倒しの運用もありえるという。生活関連施設は来年1月に着工し、完成までに2年ほどかかる見通し。
 空自基地は隣接地に約1・8ヘクタール拡張し、施設の一部を移転する。
 着工に際して事前連絡を求めてきた京都府京丹後市には、26日午後まで通告はなかった。同日朝からの関連工事も知らされておらず、府は今後の工事日程を事前に地元に周知するよう、あらためて防衛省に申し入れていく。
 防衛省は、府が早急に回答するよう求めている電磁波や騒音の調査結果、米軍属の居住候補地、立ち入り禁止区域や飛行制限区域についても明らかにしていない。
 ■米軍経ケ岬通信所 弾道ミサイルを探知する防衛システムの一環で、Xバンドという周波数帯を使う米軍の移動式レーダー1基を配備。日本配備は青森県の米軍車力通信所に次ぎ2基目。経ケ岬通信所では日米地位協定に基づき民有地と自衛隊用地の一部を米国に提供済みで、在日米軍の管轄下にある。レーダーは24時間稼働で、軍人軍属ら約160人が勤務する見込み。【 2014年05月27日 08時21分 】