佐賀空港の軍事利用はダメ!


 16年前に建設された佐賀空港。直後から利用者を増やすのにかなり無理をしていた。“需要見通しより建設ありき”だった佐賀県は、旅行業界に団体客の空港利用をいくばくかの「補助金」付きで要請した。県民の税金の使い道として本末転倒だ。
 業界も私も、佐賀空港利用の企画に力は入らなかった。佐賀県には陶芸のいで湯武雄温泉、日本三大稲荷の祐徳稲荷など観光の魅力は十分ある。隣接福岡県だが、北原白秋を生んだ水郷とどじょう鍋の柳川も佐賀空港から30分。しかし、各地との空路を持つ福岡空港や新幹線利用で行程は組める。
 

赤字続きの弱みを狙われたか、元々軍事利用の長期戦略があったのかは不明だ。近隣国からの利用が減るという県の主張、建設自体が間違いだったが、政権の「中韓敵視外交」の下では切実に理解できる。
 完成してしまった赤字の巨大構造物の活用法は難しいが、佐賀空港の軍事利用は絶対にダメだ。狙われる地方管理空港が、私の地元神戸空港も含めあまりに多い。(T.MATSUOKA)