総選挙の結果に日本の未来への展望をみる…!



 総選挙の結果は政権政党の圧勝に終わり、首相の描いた通りにコトが進んでいるとの声も多いが、そうだろうか…?
まず、第一にかつてからまた、前回から第三極云々の“必要性”が喧伝されたが、ものの見事に二大政党も第三極も“崩壊”に向かってるのがハッキリした。第三極とはいわないが、日本共産党が、自公政権と真っ正面から対決し、対案を示して、国民の利益にぶれない党としての支持を受け、2.5倍増の大躍進を遂げた。これは、自公にとっては、織り込み済みかも知れないが、諸課題での国民運動と結びついた結果だけに、政権もこれまでの政権運営を変えざるを得ないだろう。
第二に、開票終了直後、首相は選挙期間中に“封印”していた、「憲法改正」に手をつけると3分の2の議席を背景に公言したことだ。「秘密保護法」や「集団的自衛権」の具体的施行や法整備の段階で、与党内にある「保守本流」、公明との確執が、国内でさらに盛り上がり国際的にも注目を受け始めた9条憲法への評価を力にさらに表面化するのは避けられない。もちろん油断はできないが…
第三に、「政治とカネ」の問題がこれで、「当事者」が禊ぎを受けたなどと首脳とともども思っていたら、トンでもないこと。さらに、くすぶっている“予備軍”も十分あり、すぐにでも火がつき、燎原の火のごとくに“安倍城”を焼き尽くす日も遠くないかも知れない。
第四に、「政治とカネ」のもとにあるのが、「政党助成金」であり、この違法性、非民主制とこれまでの「実績」を徹底的に国民に明らかにすべきであろう。マスメディアに期待できないが、国民が声を上げてでも廃止を迫らなければならない。
第五に、選挙直前に判決が出された「違憲状態の『1票の格差』」にキチンと向き合わねばならない。
この根本的な解決のための処方箋はハッキリしている。小選挙区を廃止して、全国一本の比例代表制の制度を導入することだ。これなら、「死に票」は一切ないし、国民の意見が文字通りキッチリ比例的に議席に反映できるのだから。
第六に、選挙そのものの意味を、キチンと民意を性格に反映した議会をつくるためのものに戻さなければならない。今の、選挙は、政界、メディアともに「政権選択選挙」と広言するように、選挙で選ばれた人たちが議会で議論を詰めてよりよい政策づくりをするというより、選挙前から共通政策もなく、離合集散を繰り返し、小選挙区のもとで1票でも多くとり議席を獲得する動きになっている。だから、議会では、数の力で全くの投票マシン化した議員たちにより瞬時に結果が決まるか、審議といっても、ポット出の議員たちによる“素人っぽい”“低俗”な“議論”に国民はつきあわされている。これも、小選挙区の弊害であろう。「風」が吹いて予想以上の当選を果たした議員の中にこういう議員が“おうおうにして”含まれているのだ。安倍政権の中に、上記の国民との議論に耐えることができない議員が、どれだけいるだろうか…
最後に、沖縄では新基地反対派の4候補がものの見事に当選を果たした。民主的政治を求める選挙おあり方を考える上で貴重な教訓を残したといえる。政権の暴走がますます強まれば、こうした共同、選挙共闘が「本土」でも模索され始めることは必死。そうした共同が大きくなれば、その速度、広がりは想像を超えるものになる。政権の暴走の速度がそれをも規定するのかもしれない。これが“歴史の弁証法”か。
(T.MATSUOKA)