ネパール その1

    by K.OOMURA
 家の数ほどの寺院があり、人の数ほどの神がいるといわれているネパール、全てにおいて驚きの連続であった。
関西からは飛行機のルートがいくつかあり、今回は香港経由で到着。
 時差は3時間15分遅れ、到着すると現地は22時になり、空港から街中までは20分程度ととても便利ではあるが、部屋に入るとバタンキュー状態。空港をはじめ街中も電力が少なくとても暗い、逆に日本が夜中でもあんなに明るくする必要があるのかと気づく。無理やり電力を使っている?とさえ思わせるほど。

ネパール最大のストゥーパ(仏塔)があるボダナート(左の写真)はチベット仏教徒の主要な巡礼地であり、朝から近隣諸国からの熱心な信者による祈りが捧げられている。塔の真ん中に目があるが、知恵と情けを表現されているという。四方全てに目がありなんとなく神聖な気持ちになる。

 街中は数え切れないほどの電線が張りめぐっていて、マイクロバスのような大きさの乗り合いバスはドアが常に開いていて、行き先を大声で告げながら走りどんどん人を詰め込んで走っている。道を渡るのも大阪の人間でもタイミングを計るのが難しいほど。信号はほとんど見かけない。
カトマンズの名前の由来となったネパール最古の建築物のひとつ。ここに使われている木はチトワン国立公園から運ばれたもので、1本の大木から作られたと伝わっている。12世紀頃の建造と考えられ、もともとは巡礼宿として使われていたそうだ。四方から通り抜けれるが中はとても暗く特別に保存をしている様子もなく時間に関係なく熱心にお参りをしている人が多い。ここがダンバール広場の一角で3つのマッラ王朝が盆地に独立・君臨した3王国時代には王宮前の広場としての中心の場所である。

現在も人の渦で立ち止まっていれないほどの雑多で、自転車もバイクも走りたい放題というすごい場所。その隙間をぬって商売をしている人もあり完全に観念の違いをまざまざと感じる場所でもある。
 旧王朝も歴史的建造物であるが、夕方になるとまるで鳥屋敷のように軒下にずらっとものすごい数の鳥が住み着いていてけたたましい程の鳴声であり、やはり保存という観念が全く違うらしい。
スワヤンブナートから見るカトマンズの街並み

 ここは待ちの西郊2Kmの岡野頂上にあり、白いストゥーパ(仏塔)があり、世界遺産に一つ。野生のサルが我が家のように至るところを好き放題にかけ走っている。
敷地内にはヒンドゥー教の女神の像があり、宗教的多面性を伺わせる。
 宗教、宗派の違いを乗り越え、他民族国家のネパールの魅力はとても奥が深く、昨今の宗教対立や民族間の争いが虚しく何も生み出すものはないと考えさせられた。
 確かにインフラの整備が整っていなく、常に電力不足で計画停電が繰り返される毎日の暮らし、日本のように蛇口をひねると直ぐに飲み水が出るわけでもなく『不便』と感じることも多いが、便利さなどとの引き換えにあるがままを受入れ知恵を尽くし、自然を大切に共存する姿に学ぶものが多い。