2015年春の鹿児島紀行                     宋 敏

 念願の鹿児島旅行、国内で訪れていない2県のうちの鹿児島旅行がようやく実現しました。(残りは山形県です)
4月24日(金)
 初めての九州新幹線「みずほ605号」で新神戸から乗車し、鹿児島中央駅をめざしました。一歩入った車内は、東海道新幹線山陽新幹線とは全く異なる木調の落ち着いた雰囲気で、また座席も横4列のゆったりした配置で快適でした!! 春の新緑を車窓からのぞみながら、コーヒーを飲みながらこの3日間の行程の確認などをしているうちに、広島〜小倉〜博多を通過、約3時間30分であっという間に、鹿児島中央駅に到着。

 昼食は駅前の老舗の霧島六白黒豚とんかつ専門店「寿庵」で霧島六白黒豚とんかつ定食でランチを頂きました。その肉の厚さ、また脂身が蕩けるようで、やはり霧島六白黒豚は本当に美味しかった。予約していた観光列車「指宿のたまて箱」の時刻を気にしながら中央駅へ。海側が白、山側が黒に塗り分けられたユニークな車体と居心地のいい車内、特に指定席は「海側に向かって座る特等席」、ラッキー!!車窓からの眺望は最高でした。1時間弱の列車の旅もあっという間に、指宿駅へ到着。

 早速、薩摩半島南端にそびえる開聞岳(標高924m)周辺へ移動。この開聞岳は、均整の取れた円錐形のシルエットから「薩摩富士」と称されているだけあり、なかなか素敵な姿でした。山のふもとにある龍宮伝説発祥の地と伝えら長崎鼻の近くにある龍宮神社でお参りして、海岸付近を散策。指宿市内へ戻る途中で、JRの最南端の駅、のどかな西大山駅へ、運良く数時間ごとの列車の到着に居合わせ開聞岳を背景に記念写真をパチリ、ラッキー!/span>
 夕暮れも近づいてきたので、今夜の指宿温泉の宿へ。宿は、砂むし温泉会館に歩いて数分の所にあり、早速浴衣に着替えて会場へ。砂むし専用の浴衣に着替えて、いざ砂むし温泉の体験。用意された場所に横になると、背中がじんわりと温かく、少し熱さを調整していよいよ全身に砂をかけてもらうと、暫くすると体の中からじわじわと熱くなってきた。これが“砂むし温泉”だと思いに浸っていると目安の時間の10分前後はあっという間に。全身で汗をかき体が軽くなったようで、いい体験でした。
 夕食は、地元の海の幸と目の前で揚げるあつあつ薩摩揚げ、六白黒豚芋焼酎煮、サザエつぼ焼き、温泉蒸し野菜など盛りだくさんで満腹。食後に休憩して、今度は夜空を眺めながら露天風呂を満喫〜。
4月25日(土)
 朝日の海岸を眺めながら朝風呂を浴びてから朝食。指宿温泉を後にして、北へ向かい歴史を語り継ぐ薩摩の小京都“知覧”へ向かい、先ずは戦争の悲惨な真実を今に伝える“知覧特攻平和記念館”へ。特攻基地から沖縄決戦に飛び立った隊員1036名の遺品や遺書、実線に使われ海中から引き揚げられた零式艦上戦闘機などの貴重な資料を見て、戦争の悲惨さと平和と命の尊さを学びました。
 

また、知覧武家屋敷群では質実剛健なたたずまいを残す武家屋敷が立ち並び、そのなかで、国の名勝に指定されている“7つの日本庭園”を拝観した。春の新緑とさつきなどの春の花で見事に彩られていました。昼食は、この近くにある“薩摩英国館ティーワールド“にて。ここは幕末の薩摩とイギリスの関りをしめす資料館でティールームも併設している。

 午後は鹿児島駅の少し北に位置する“仙厳園”、薩摩藩主・島津家の別邸でこの周辺を含めて、幕末から明治初期に日本の近代化の礎を築いた場所で、「明治日本の産業革命遺産」の構成資産候補として世界文化遺産登録を目指しており、旧集成館・反射炉跡や機械工場などなど多数の残された遺産をみると、当時の島津家の財力とそれを基にして近代化に向けた並々ならぬ努力を肌で感じることが出来ました。
 また、奇しくもこの5月4日にイコモス(ユネスコ機関)に指定の勧告を得たことは、皆様もご存知のとおりです。この庭園から錦江湾の向こうに桜島を目前に望み、丁度小規模の噴煙を上げている様子は、なかなか見ごたえのある景色でした。

 噴煙をあげる桜島を後に、今晩の宿霧島温泉へ。早めに宿に入り、14の源泉から流れ出る豊富な湯量を誇る硫黄谷庭園大浴場は、広大な敷地に体育館のような高い天井を設けた迫力満点の掛け流し天然温泉です。この一角に、混浴温泉があり、ここで人生初の混浴体験を。なかなかスリル満点でした・・・・・。
 夕食は、とろとろの六白黒豚しゃぶしゃぶ、旨みたっぷりの霧島牛ステーキ、地元の新鮮野菜煮などなど。薩摩の味を堪能しました。食後、休憩後、また硫黄谷庭園大浴場で一浴びし、大満足でした。
4月26日(日)
 いよいよ最終日。硫黄谷庭園大浴場の露天風呂で朝日を浴びながら一浴びし地元野菜料理の豊富な朝食を。食後にホテルの裏山にある樹齢100年以上の杉が群生する百年杉庭園で陰イオンを沢山あびて、リフレッシュ。なかなか広大な立派な杉林でした。

 今日のメインである霧島神宮へ。6世紀に創建され、天孫降臨神話の地に厳かにまた緑深い森に囲まれたこの霧島神宮は、パワースポットとしても近年人気が有り、国の重要文化財の指定も受けている。現在の朱塗りの社殿は、約300年まえに第21代当主、島津吉貴の寄進により建立されたものである。
 帰路の新幹線の時間から逆算しながら、霧島を後に鹿児島市内へ。早めの昼食は、まだ食べていなかったご当地名物の鹿児島ラーメンと決めていたので、天文館(通り)にある“くろいわラーメン”本店へ。しっかりとしたコクとまろやかな豚骨と鶏がらスープ、意外とあっさりした旨みたっぷりのスープで、肉厚のチャーシューもなかなかでした。時間が少しあるので、市内の城山公園の一角にある“照國神社”へ。ここは、照國大明神(島津家二十八代当主島津斉彬公を奉る神社で鹿児島における島津家の存在の大きさを改めて感じました。帰路の時間を気にしながら、エキマチでお土産の薩摩揚げセットなどを購入し九州新幹線に。
 楽しい、美味しい、温泉三昧の旅でした!!