まるで「天安門」、阿鼻叫喚の国会前―安保法制反対デモを警察側が過剰警備で弾圧、一部参加者の逮捕も

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 どけ!どけ!」一際大きな怒号があがったかと思うと、デモ参加者を抱えた警察官らがすごい勢いで突っ込んでくる。危うく、突き飛ばされ、カメラを落とすところだった。緊迫する国会情勢を反映してか、16日の国会前の警備状況は異常な状況。取材していた筆者の頭には「天安門」という言葉がよぎった。
 筆者はここ数日、毎日国会前を取材しているが、16日の警察の警備体制は明らかにいつもと異なっていた。「カマボコ」と呼ばれるバスのような大型護送車で文字通り壁を作り、抗議する人々を歩道に押し込めた。「カマボコ」と歩道の間に若干、通り道は確保されていたが、すぐにいっぱいとなり、人々はぎゅうぎゅう詰めにされ、気分を悪くする人々が続出。大多数のデモ参加者はそれでも理性的に抗議活動を続けていたものの、一部の参加者らが警察官らと押し合いになり、筆者が見ている前だけで数人が逮捕された(一部報道では「13人逮捕」)。

 こうした騒乱もあって、学生団体SEALDsも一時的に抗議のスピーチやコールを中断せざる得なくなった(その後、再開)。これに先立ち、「戦争させない・9条壊すな!総がかり行動」の高田健さんは、マイクを握り「警察側は、ことあるごとに『事故が起きないよう規制している』と主張するが、こんな警備体制では参加者の安全はとても確保されない。警察は過剰警備をやめるべきだ!」と批難していたが、警察側の圧力はどんどん増していったのであった。