制服でNO…京都で高校生が抗議デモ


毎日新聞デジタル版から
安全保障関連法が成立した19日、京都市内では安保関連法に反対する高校生の団体「スクール・オブ・デモクラシー」が抗議デモを実施した。ツイッターなどを通じて集まった男女の高校生約30人が参加し、これに大学教員や市民団体なども合流して抗議の輪は約700人に膨らんだ。
 制服姿の高校生らがデモの先導車から流れるラップ調の音楽に合わせ、「賛成議員は恥を知れ」「強行採決は絶対許さない」などと訴え、観光客らでにぎわう四条通など京都市中心部約4キロを約2時間かけて練り歩いた。
 団体は、京都市内の高校2年の男子生徒(17)がクラスの友人に呼びかけ、9月上旬に結成した。男子生徒は6月に京都市内であった学生団体「シールズ関西」のデモに初めて参加。その際、沿道の高校生がスマートフォンを手に下を向き無関心だった様子を見て、「僕たちが制服でデモすることで、高校生にも関心を持ってほしかった」と話す。 この男子生徒は軽音楽部や生徒会にも所属し、学業と並行してデモを準備。安保関連法の成立直前の18日夜は、別団体のデモに参加予定だったが、生徒会の集まりで参加できなかった。
 これまで参加した抗議デモで知り合った若者や弁護士らも今回、車の手配などで協力。男子生徒は街宣車から「自民党は主権者の権利を奪おうとしており独裁者だ。不戦の誓いを100年、200年先も引き継げることを願います」と訴えた。
 デモには、別の高校生団体「ティーンズ・ソウル・ウエスト」のメンバーも応援に駆けつけた。大阪市東成区の男子生徒(17)は「抗議の流れは、安倍首相には止められない。僕らの未来をあのように(強行採決で)決められるのは腹が立つ」。来夏の参院選時には18歳で投票権を得るため、「法案に賛成した議員を落選させたい」と話した。
高校生の政治活動は本来自由。文科省が制限するのは人権侵害だ。