リニア建設は何のため?

大前研一氏のブログより引用http://saigaijyouhou.com/

 東京オリンピックに向けて、リニアモーターカーの準備が急がれていますが、このリニアは日本の歴史上でも最悪の負債となる可能性を秘めています。リニアモーターカーの問題点は多数ありますが、大きく分けると3つの問題点があると言えるでしょう。
 まず第一に電力の問題。リニアというのは超伝導磁石の力で車体を浮上させていますが、この浮かんでいる状態を維持するためには、「新幹線の3倍」とか「原発の数基分」とも言われているほどの電力が必要です。震災直後から「原発を稼働させないと電力が足りない」と政府や電力会社、マスコミは煽り続けていたわけで、電気を大量に消費する施設を建設するのは彼らの主張と矛盾しています。
 次に到着時間に大差がない事も大きな問題です。新幹線とリニアモーターカーの最新比較シミュレーションでは、東京から名古屋に移動する時間には大差がない事が判明。短縮時間は僅かに数分から数十分だけとなっています。
 その上、リニアモーターカーの建設には9兆円もの費用が必要になるのです。建設費用が高ければ、乗車費用も上昇することになります。それこそ、一回の乗車で数万ということになるかもしれません。
 料金が高い上に新幹線と時間に大差がないのならば、最初に一回だけ乗って、それ以降は誰も乗ることはないでしょう。そうなれば、リニアモーターカーは事実上の負債状態となり、いずれは増税などのような形で国民が負担させられることになります。
 それを避けるためには、今のうちにしっかりと国単位でリニアモーターカーの必要性を分析するべきです。というか、本来はそれを最初にするべきなのですが、政府の連中には自分の利害や利権以外は視野に入っていないようで気が付いていません・・・。
 東京ー名古屋を40分でつなぐ「夢の超特急」リニアの計画概要が発表されたが、 本当にリニアは早いのだろうか? 東京駅から歩いて10分の大手町オフィスに勤めるビジネスマンが、 名古屋に14時頃に出張に行く場合のシミュレーションをしてみた。
リニア新幹線オフィス12:10
↓徒歩
東京駅12:19
↓山手線
品川駅12:30
↓徒歩
品川地下ホーム12:50

品川地下ホーム13:00
↓リニア
名古屋地下ホーム13:40
↓徒歩
名古屋駅13:50
↓徒歩
名古屋の会社14:00
東海道新幹線オフィス12:00
↓徒歩
東京駅12:10
↓新幹線
名古屋駅13:51
↓徒歩
名古屋の会社14:00
 リニアの品川駅は地下40メートルにホームがあるため、在来線からの乗り換えに20分以上かかるという。 リニアの名古屋駅は地下30メートル。
 上記のようにレーションしたら、たいして時間は変わらない結果に。しかももしリニア新幹線が名古屋開業する2027年までに、 東海道新幹線の車両改良やスピード改良が行われ、 今より10分でも短縮されたら、下手をするとリニア新幹線より早く着く可能性もある。