【今日は何の日?】“日本一の大幹線”だった区間がローカル線へ転落

「乗り物ニュース」から転載
12月1日、“日本一の大幹線”だった区間がこの日、ローカル線になりました。
 81年前の今日、1934(昭和9)年の12月1日。東京と名古屋・京都・大阪・神戸を結ぶ“日本一の大幹線”東海道本線の一部区間が、ローカル線になりました。
 現在、東海道本線は小田原・熱海駅経由ですが、この前日まで御殿場駅経由でした。箱根の山を東名高速道路のように、北側へ迂回して越えていた形です。
 しかしそのルートは勾配が厳しく、輸送上のネックになっていたことから伊豆半島の付け根に当たる部分、熱海〜三島間にトンネルを掘って短絡する計画がスタートします。
 工期16年という難工事になりましたが1934(昭和9)年12月1日、全長7804mの丹那トンネルが開通。これに伴い東海道本線御殿場駅経由ではなく、現在の小田原・熱海駅経由になりました。
 そして同時に、箱根山の北を走る旧・東海道本線国府津〜御殿場〜沼津間は、その名前を「御殿場線」へ変更。一夜にして“日本一の大幹線”から“ローカル線”に、その立場が激変しています。
 また、御殿場線はそうした経歴を持つため上下線がある「複線」でしたが、“大幹線”ではなくなったこと、戦争中の資材不足から1943(昭和18)年、線路が1本はがされ単線にされてしまいます。
線路周辺の土地に余裕がある御殿場線。かつて“日本一の大幹線”だった名残
 御殿場線の線路周辺に現在、線路をもう1本引けそうな余裕があること、しばしば車窓に廃トンネルが見られることは、かつて“日本一の大幹線”だった名残です。