鹿児島をたっぷり魅る 歴史と自然の薩摩路へ



 旅行業界最大級のイベント「国内観光活性化フォーラム」「地旅博覧会」の今年の開催地は鹿児島県。昨年は「明治日本の産業革命遺産」の構成資産として県内から3カ所が世界遺産に、2年後には薩摩藩が活躍した明治維新から150周年と話題が相次ぐ。鹿児島県旅行業協同組合では、その歴史が育んだ地域固有の文化を着地型旅行ブランド「魅旅」として昇華させ、地旅推進地として歩みを進める。今こそ鹿児島の「魅力」を魅よう。
幕末ハネムーン 霧島に残る龍馬・お龍愛の足跡
塩浸温泉から高千穂峰霧島神宮
 今なお多くの人に愛される坂本龍馬。その龍馬が愛したのが妻・お龍。霧島市は2人で新婚旅行に訪れ、幕末の動乱で傷ついた心身を癒した地だ。この地で男・龍馬の心に迫る。
 龍馬は1866年、京都・寺田屋事件から逃れ、お龍と霧島に逗留。2人は温泉や登山、霧島神宮参拝など26日間の旅を楽しんだとされる。
 2人が霧島で一番長く、逗留した地が塩浸温泉。山間にたたずむ静かな湯の郷で、龍馬は手傷の治療に努めた。現在は「塩浸温泉龍馬公園」として整備され、日帰り温泉施設や足湯でその泉質が楽しめる。龍馬・お龍新婚湯治碑もあり当時の2人に思いを馳せよう。

塩浸温泉にある龍馬・お龍新婚湯治碑
 ここから2人は高千穂峰へ登頂。頂上で抜くと火を噴くといわれる「天の逆鉾」を引き抜き、大笑いしたとされる。ミヤマキリシマの美しさや火口の壮大さは今も昔も変わらない。2人は霧島神宮にも訪れた。朱塗りの本殿や拝殿など美しくも荘厳なたたずまいで、ぜひ参拝したい。 そのほか塩浸温泉近くには、龍馬が訪れたことを記念する碑が立つ和気神社や、龍馬が姉の乙女への手紙に感動を綴ったほど雄大な犬飼滝など、2人の新婚旅行にまつわるスポットは多い。