瀬戸芸アートやブックカフェなど魅力充実 二十四の瞳映画村

アートと懐かしさ−小豆島心の旅
ゲキ×シネ」月替わり上映も
 小豆島町二十四の瞳映画村は、小豆島を舞台にした名作「二十四の瞳」を顕彰する日本映画のテーマパーク。映画ロケセットを使った村内は懐かしさが溢れ、作品の世界観と小豆島の風情を求めて多くの観光客が訪れる。加えて、同作や日本映画黄金期にまつわるプロジェクトを次々に発信し続け、常に真新しく、魅力が増強されているのも強みのひとつだ。
 今年は瀬戸内国際芸術祭の開催年であり、映画村にも作品「愛のボラード」を展示。ボラードとは船を繋留するために岸壁にある柱のことで、駐車場の一角に設けた。「海からやってくるはずの『何か』に対して、見る者の想像力をかき立てる」そうだ。
 4月21日には同施設内のギャラリー松竹座映画館2階に、ブックカフェ「書肆海風堂(しょしうみかぜどう)」をオープン。二十四の瞳や映画、旅に関する書籍やDVDが並んでおり、コーヒーやカフェラテを味わいながらゆっくりと過ごせる。

 二十四の瞳映画村ブックカフェには書籍やDVDが並ぶ。「ゲキ×シネ」コーナーも
 また、映画「二十四の瞳」で主人公の大石先生を演じた女優、高峰秀子さんのギャラリーも併設。高峰さんは作家としても活動していたこともあり、直筆原稿や愛用のバックなども展示している。
 また、4月からは現代の演劇の風も採り入れた。幅広く人気を集める「劇団☆新感線」の舞台をそのまま映画にした「ゲキ×シネ」作品を月替わり、1年間で13作品を上映。毎月第3金曜日から連続4日間で、11時50分からスタートする。入村料だけで鑑賞できるのもうれしい。7月は「五右衛門ロック」、8月は「薔薇とサムライ」と「ジパングパンク」と、主演の古田新太さんをはじめ豪華俳優陣が登場する人気作品がラインナップしている。
 同館は、田中裕子さん主演による1987年公開の映画第2作のオープンロケセットや貴重な展示で、作品の中の懐かしい風景がそのまま広がっている。