ちょっと見たテレビの凄くいいお話し

昨日の朝、NHKで何気なくみていた番組に引き込まれてしまった。“冬の北海道、人気動物園革命”という再放送番組。NHKも時に素晴らしい番組をやってくれる。インタビューに答える園長さんのいかにも自信ありげで楽しくて仕方がないといった話しぶりに、これは何だとばかり最後までみてしまった。たかが動物園というなかれ、そのお話しの中味たるや、地球46億年の歴史、生命科学自然淘汰、生と死、人間社会のあり方、生き方などなど、それらに動物園をキチンと位置付けたお話し。一冊の科学・哲学書の目次にでもなるようなテーマである。おぼろげな記憶をたどってみると…。北海道旭川旭山動物園、ご多分に漏れず他のテーマパークに客を奪われて大変な時に人気者の動物が感染症で亡くなり、それがきっかけで閉園が取り沙汰されるほど客足が遠のいてしまった。職員みんなでどうしたら客足を取り戻せるかと連日議論し、結局、ありのままの動物の凄さをみてもらおうということになり、いろんな工夫をしてようやく冬でも客が来てくれる人気の動物園になったというお話し。例えば、チンパンジーには木の枝でも使えばとることが出来るところにワザとエサしたをおいてその知恵をみて見てもらうとか、ガラス壁にエサの蜜を塗ってそれを舐めさせキバの凄さを生の形でみてもらうなど…。街中で怪我をした動物を引き取り治療し養生もさせながらその経過を見せたり、動物が死ねばその獣舎の前に“喪中”と張り出したり、ともかく動物のありのままの生活、一生をみてもらおうとしている。園長さんのお話しの基本点は、①人間も凄いけど、ともかく動物も凄いのだ。何億年もの間進化を遂げてきて今日に至っているそれぞれ持っている機能とそれにふさわしい形状をみてもらいたい。それは感動を覚えないわけにはいかない。②怪我で運び込まれる原因の大半が、人間社会の「文明」によって傷ついたものであることを分かってもらいたい。③動物園で生まれて歓んでもらうと共に動物園でやはり死んでいくこともみてもらい、連綿とうけつがれて今日を生きている動物の“い・の・ち”の尊さ、かけがえの無さ理解して欲しい。④人間だけが別世界に住んでいるのでなく、動物が住めない世界、動物がいない世の中なんてあり得ないということも分かって欲しい。⑤人間は動物園に来たら何故笑顔が出るのだろう。それは、動物が気儘にしたいことをして幸せそうなのを見て、本来の人間のありようをそこに見て懐かしくまた微笑ましくなるのではないか…。⑥だから、動物園でも、動物が本当にありのままにしたいことを出来るように工夫をこらす。その動物の凄さとありのままれを見て人間も本来の人間を取り戻す。だから人間にとって欠かせない動物園になりうる。こんなお話しでした。何にでも当てはまるお話し。最後にこんなこともおっしゃってました。人間が元気を取り戻すには、自分のしたいことをするのが一番。私たちは、やっぱり自分のこだわりのやってみたい旅の企画をつくりその旅のお世話をしてお客様に喜んでもらうをみるのが一番。