【巨星墜つ!】

KokusaiTourist2007-07-19


“ミヤケン”死去。まさに【巨星墜つ!】の表現が久方ぶりにピッタリの“人物”でした。
各紙とも、政治的党派、思想信条を超えて感慨を伴う政治家などのコメントが掲載された。
各紙の扱いも共通して1面左半分近く、社説、政治面それから社会面で、総理、大蔵大臣経験者の過日の同様の記事に勝るとも劣らない紙面が割かれた。表舞台を去って10年余、氏を知らない若者が増えてる今、マスコミのこの扱いを、社会の反映としてみるならば、平和と民主主義そして自由のために生涯を戦い抜いた氏の願いがいまや広く社会にしっかりと根付いているからと言えようか…。また、9条改憲をめぐっての世論の変化の反映とも言えるのであろうか。
 そうしたことを含んだ保守政治家などのコメントの中で、時の首相として感想を問われての安倍氏の発言はひと際異様であった。「参議院議員を2期勤められました。ご冥福をお祈りいたします。」厳しい批判を浴びた長崎市長銃撃事件の際のコメントと同様である。首相が師とも仰ぐ中曽根首相の発言と比較してもその薄っぺらさは歴然である。
いったい、民主主義社会の何たるかもわからない、政敵を“敵ながらあっぱれ”とも見れない、偏狭(偏狂)な人物。今の安倍政権に課せられた仕事、安倍氏にしかできない課題を担って登場してきた人物、彼が現にすすめている改憲の策動、格差社会の放置、医療・介護など難民社会、教育への強権的介入…これらをストップさせなければどんなことになっていくのかをまざまざと示した彼のコメントではあった。
 一方で、「百合子さんようやく半世紀を越えての再会が果たせる」といった心温まる?コメントもあった。
 私自身のミヤケンとの関りは書物を通じて。68年頃、「日本革命の展望」(上下)を赤線や青線を引きながら繰り返し繰り返し読んだものである。感動したのは、75年の都知事選の時であったか…共闘体制が壊されそうになる中で各党党首間の論戦をリードし共闘を維持した。この時の論戦で氏が果たした役割は忘れられない。
今も、書棚から「日本革命の展望」を抜き出して、黄ばんだページをパラパラとめくっている。68年5月に購入している。大学生で、名前を書き込んでいる。代金は200円となっている。すでに40年になんなんとしている。
宮本顕治さんの逝去の報を感慨深く受け止めた1日だった。合掌