ペルー

KokusaiTourist2008-03-23


2月1日から10日までのペルーツァーに参加された楠田るみ様から“ペルー紀行”が寄せられましたので3回に分けてお届けさせていただきます。


その1 格差社会


 リマは一年中雨が降らない町だ。
ホテルや金持ちの別荘用マンションなど立派な建物があるかと思うと、一方で天井のない家や、鉄筋の鉄の棒が屋根から見えていて建設途中の家かと思われるような家が目立つ。リマのガイドは、「完成されていない家は、固定資産税を払わなくてもいいので、庶民の知恵」と説明した。


 ペルーは貧富の格差が大きく、土地や財産を持つ人は、大学に行き政治家や弁護士などの地位に着く。貧しい人は子どもを学校にもやれず、文字を読めない人々がたくさんいる。自らの貧しさの原因を学ぶ機会は与えられていないのだ。当然ありつける仕事は安い賃金。貧しさから解放されることは今は難しい、とガイドは言う。
法律を作るのは持てる階層の人々、自分たちの財産を脅かすような法律は作らない。だから、ペルーには相続税はない。財産は(税金を払わずに)そっくりそのまま子孫に残せる仕組みだ。


 ペルーはほとんどがキリスト教だ。インカ帝国を滅ぼしたスペインがまず急いでしたことはキリスト教の教会を作ることだった。キリスト教は堕胎を許さない。田舎にいけば6人〜10人の子どもたちを母親一人で育てている例はいくつもある。夫の蒸発?にもめげず女性たちは生活のためがんばるのだが、少女人身売買が行われている。悲劇は現地人の両親の間に突然生まれた白人の女の子の場合。先祖に白人の血が混じっている場合、そういうことがありうる。肌の白い女の子は高く売られてしまう。人身売買や、少女売春の存在するペルー。


 ペルーには最低賃金がある。最低賃金をもらえる人はまだ恵まれている。公務員などだ。日本円で月15000円程度。警察官は仕事が終わればガードマンなどのアルバイトで稼ぐ。しかし、ほとんどは最低賃金にもありつけない階層なのだ。一方、ゴルフ場の向かいに豪華なマンション、富裕層たちが夏の避暑にと別荘を持っている「のだ」。歴然とした格差が目の前に見える。(R.KUSUDA)