今年もありがとうございました。

KokusaiTourist2008-12-29


 2008年が終わろうとしています。今年も大変お世話になりありがとうございました。今年は、とても“変”の一字でまとまるような年ではありません。文字通り激動の1年。昨年の“偽”は、その大元への反省がないためさらに拡がり、私たちは、衣食住のみならず生命、医療、福祉、教育の分野の危機を痛感させられました。さらに秋口からのいわゆるアメリカ発の金融危機が、日本はもちろん世界中を増幅しながら駆けめぐっています。
 そんな中、我が国では基幹産業、リーディングカンパニーがその本来持っていなければいけない矜持もかなぐり捨て、派遣労働者の大量解雇、正規労働者への雇用不安を強いることに何の躊躇もせずに「リーダーシップ」?を発揮しているのです。こうした動きが連鎖反応を引き起こし、冷え込む師走の街をさらに凍らしています。
 政治、あえて言わせていただくと自民、民主の2大政党政治、大企業とアメリカには頭が上がらず、国民生活に責任ある自主・自立の統治能力はもはや完全に喪失しています。英国や欧州連合では消費税の切り下げが実行に移され、カナダは政党交付金の凍結を打ち出しています。東南アジアでは、ASEANがいよいよ他地域まで巻き込んで対話と共同で実効性のある平和構築を目指しています。南米でもアメリカによる自由主義押しつけ路線からの離脱が奔流になっている時代に…。
 大企業、自民・民主の政治が“共謀”して急激な貧困化社会と世情不安を作っています。まさに、犯罪的行為と言っても言い過ぎではありません。しかし一方で、解雇された人々の反撃も始まっています。良心的なマスメディア、ジャーナリストもことの深刻さと原因、解決の方向の議論のために必要な情報を積極的に出し、まともな社会を目指すネットワーク、たたかう連帯に役割を果たそうとしています。
 旅行の世界でも、弱肉強食、競争市場、利益第一の論理がまかり通り、それらを是としない良心的な観光業者、施設が苦境に立たされていますが、こんな時代だからこそ人にとって、生活の中での観光の役割に光をあて地域と結びついて連帯しようとの動きもあります。
 私たちは今年もこだわりの旅を求めて今52年目を迎えようとしています。「老舗」はただ古い商いを守ってきたからというのではないでしょう。自分を自然を感動を大切にするという旅ほんらいの形にこだわることが新しい旅の世界につながります。そして、これが歴史と老舗をつくってきたと考えています。来年も自然・人・環境・歴史を語る旅、ふれあい・体験の旅、スローライフ、スロートリップを発信していきたいと思います。
 このブログもおかげさまで来年2月で開設4年になります。年明け早々にもアクセスは12万を超えようとしています。旅行企画のご案内、添乗レポート、紀行文、想い出の写真、平和を求める声など様々な発信をしてきました。是非ともみなさまからの投稿もしていただき交流の場として充実させたく思っています。来年もよろしくお願い致します。
 ㈱国際ツーリストビューロー代表取締役 松岡 武弘