南アフリカ喜望峰

KokusaiTourist2008-12-30

その12 最終回
南アフリカ添乗レポート最終回です。(大村圭子)

 南アフリカの野生動物ウォッチングにもうひとつの楽しみがあります。それはくじらです。ちょうど8月から11月にかけて赤ちゃんを産みに静かな湾にやってきて、しばらく子育てをしてからまた大海へ帰っていくそうです。そのくじらウォッチングで有名なハマナスの町までドライブすること約2時間、天気も良く、たくさんのウォッチャーが訪れていました。ここでは岸辺から十分裸眼で見える距離にくじらがいます。横びれや尾びれ、胴体の1部が見え、本当にこんなに近くで見れるなんて驚きでした。今ではビッグ5に加えてビッグ6とも呼ばれているそうです。


 その後は、南アフリカワインの産地のひとつ、シュテレンボッシュへ向かいました。南アフリカは様々なものを作り、輸出していますが、ワインも新大陸ワインと呼ばれ南米のチリやアルゼンチンなどと一緒に本家フランスやアメリカ、オーストラリアなどを今や価格パフォーマンスと味で圧倒しているそうです。確かに安くて美味しいワインをテイスティングを5杯までできて買える試飲のできるショップがあり、皆様も納得の上の買い物ができました。
ホテルのレストランでも一番高級な白ワインが1本2500円程で楽しめ、食事に膨らみをもたらしてくれます。

 ケープ半島ケープタウンから距離があり、観光には1日を費やす必要があります。ケープ半島も野生動物の宝庫で、ボーダーズビーチではここでしか生息していなく絶滅の危機に瀕している小さなケープペンギンが遊歩道から間近に見ることができます。あいにくの雨というより嵐に近い状態でしたが、雨にも負けずかわいいペンギンたちをしっかりみました。

 道中でもくじらを見ることができます。またいくつもの湾があり、静かな浜辺では時間を忘れてしまいそうになります。この辺りではロブスター漁が盛んに行われていて、昼食では新鮮なロブスターを味わえ大満足でした。ケープ岬はケーブルカーで上まで上がり、西は大西洋、東はインド洋へ分かれる海を堪能できます。この景色を見ることを世界地図を広げる度にあこがれていたので、嵐のケープでしたが今まで感動した景色のどれよりも私の中では言葉にならない程の感動と最高の思い出になりました。


 観光で訪れたアフリカでしたが、ヨーロッパの歴史に翻弄され今も貧困と格差で苦しむ実情を肌で感じ、4カ国の現地ガイドやドライバーと直接話をすることができ、大きな課題と感動をもらった12日間でした。アフリカはすごく遠くて未知の世界のようなイメージがありましたが、香港で1度乗り換えるともう南アフリカに到着します。
 動物たちの当たり前の太陽が昇ると行動が始まり日が沈む頃には帰っていくという自然の暮らしにいかに人間生活が自然に反したことをしているのか、無駄が多いかをつきつけられたようにも思います。でも野生動物の自然の姿に触れ、大げさですが生きていて良かった、自然に勝るものはないなと色んな国を訪れて感じた感想です。
これで南アフリカ添乗レポートを終わります。長らくのお付き合い有り難うございました。(K.OHMURA)(写真提供 ケープタウンの現地のガイドGrant van Zylさん National Geographic BEST Pictures for the Year)