核廃絶託す被爆ピアノ

KokusaiTourist2009-11-30

国連平和デーNY公演企画 
神戸新聞11/25より)
写真は渡米公演で使用する被爆ピアノ=広島市原爆ドーム前(梶田さん提供)
 核廃絶の機運が高まる中、神戸市兵庫区の写真家梶田誠さん(50)が、来年9月の国連平和デーに合わせ、ニューヨークで「被爆ピアノ」コンサートを企画している。被爆前、神戸の職人が調律したとみられる1台を持ち込むという。「傷ついたピアノの音色は、米国の人たちの共感も呼ぶはず。核兵器の愚かさを知ってほしい」と梶田さん。資金づくりのため、来月から各地で被爆ピアノ演奏会を開く。(高田康夫)
 被写体として被爆ピアノにこだわってきた梶田さんは、各地の被爆ピアノコンサートにも携わってきた。オバマ米大統領の演説やノーベル賞受賞で高まった核廃絶への機運を受け、音楽仲間らと渡米公演を企画した。
 現在確認されている被爆ピアノは9台あり、渡米公演で使用するのは1922(大正11)年製造で、唯一の米国製。広島の原爆投下翌日に亡くなった河本明子さん=当時(19)=が所有していた。米ロサンゼルスに住んでいた河本さんは32(昭和7)年、家族で広島へ移住。神戸の職人が調律をしたという記録が残っているという。
 被爆した河本さん宅は倒壊せず、ピアノは残ったが、今も側面にはガラス片が突き刺さったままで、爆風のすさまじさを物語っている。
 貴重な被爆ピアノだけに、輸送費や現地での会場設営などに約2500万円かかる見込み。梶田さんらは、12月から全国各地で被爆ピアノのチャリティー演奏会を開き「多くの人の支援で渡米公演を実現させたい」と協力を呼び掛けている。
 第1弾は、12月5日午後2時(子ども向け)と午後6時、宝塚市宝梅1、宝塚教会で開催。同6日午後2時からは、同市御殿山1、大林寺。5日は、テレビなどでも活躍するピアニスト林琢也さん、6日は被爆地広島に設立された広島音楽高校でピアノを学んだ長谷川香織さんが演奏する。各回とも1500円(中学生以下500円)。子どもを含め一般演奏者にも被爆ピアノを弾く機会を提供する。