ベトナム・カンボジア

7日間の旅 【平和の大切さをもとめて】
滋賀県武久善彦様から紀行文をお寄せいただきましたので、2回に分けて掲載させていただきます。

 8日、アキ・ラーの地雷博物館を訪問。日本でも既に紹介されていることを知りました。今なお、森の中には地雷が埋められているとのこと。アキ・ラーさんの子どもが博物館にいましたので「お父さんは?」と尋ねると、「地雷を掘りに行っている。」と答えました。
 アンコール・ワット遺跡では、時間が限られたので足早に見学することにしました。「トム」と「ワット」では、彫刻の仕方が違うことを知りました。さすがに有名な世界遺産だけあって、たくさんの人が訪れています。遺跡の縁を歩いていたとき、目の前でで、ひとりの観光客が足を踏み外して2メートル近い下に転落、足を怪我されたもようです。間もなく救急車がやってきたのですが。昨日、急な階段を上らなかったことが重なって、ひとごとでないと思いました。
夕方、空港に向かいました。入国に手間取ったので、出国もまたかと心配をしましたが、無事通過。ベトナム再入国、ホーチミン市に着きました。
9日、まず、ドクさんの働いているツーズー病院に向かいました。前もって連絡しておいてもらえたので、スムーズに彼に出会えました。用意していた色紙を、二人の子どもさんへのプレゼントとして渡しました。10月25日誕生だから1ヶ月半、二人とも丸々と元気だそうです。「オバマさんにもぜひベトナムに来てもらいたい」ドクさんは熱く語ってくれました。

戦争証跡博物館ベトナム戦争を証明する数々の写真の展示。日本でも紹介された石川文洋氏の写真・カメラもありました。枯れ葉剤の被害、ダイオキシンの被害は今も続いているのです。
クチの地下トンネル。(写真5)くもの巣のように掘られ、何層にも通路が掘られています。井戸があり、炊事場、かまどもありました。焚き火の煙は、まったく別のところか噴き出ています。ありの巣に見せかけた通気穴もありました。戦争中の作戦本部があったところです。実弾発射の音が今も耳に残っています。
 夕食までの時間、Kさんと二人でサイゴン川近くのグエンフエ通りからドン・コイ通りを散策しました。旅行会社事務所でもらった現地の1枚の地図を頼りに、足早に歩きました。ゆっくりと、しかもきょろきょろしていると、物売りに呼び止められるからです。交差点の横断には一苦労しました。一瞬の判断で渡らねばなりません。6日間の現地研修(交通事情の把握)のお陰でしょうか。無事怪我もなく、深夜便で帰途につきました。時計の針を2時間元に戻してしばしまどろみました。
10日、早朝、関空に着きました。疲れがどっと出て肩のかばんの重いこと。後は家まで帰るだけ。朝の「はるか」はガラすきでした。
2009年12月11日記す 武久善彦