GWの海外旅行、3年ぶりの50万人超か

JTB調査、平均費用も増加
(WEB版業界紙 「トラベルビジョン」4月5日号より転載)
 ジェイティービーJTB)の調査によると、ゴールデンウィーク期間(4月24日〜5月4日出発)の海外旅行人数は、前年比4.3%増の50万8000人となる見込みだ。50万人を超えるのは3年ぶりとなる。また、海外旅行の平均旅行費用も4.7%増の22万3100円で、総旅行消費額は9.2%増の1133億円となる予測だ。
 JTBでは、日並びが良く長期の休みが取りやすいことや円高のほか、上海万博や成田空港への新規航空会社乗り入れなどが需要喚起要因になっていると分析。海外旅行への旅行支出も、アンケート調査で支出を増やしたい人が3.0ポイント増の16.3%となっており、景況感の改善が反映されていると見る。ただし、平均旅行費用は2009年が16.3%減の21万3100円と落ち込んでおり、それ以前と比較すると1999年の21万3327円、2000年の22万8558円以来の低水準にとどまっている。

方面別では、昨年が好調だった韓国が4.9%減の9万8000人の予想である以外は、全方面で前年並みまたはプラス成長。最も伸び率が高いのは中国の12.5%増の9万人で、オーストラリアも7.1%増の1万5000人で続く。また、欧州やハワイなど長距離の方面も好調に推移している。燃油サーチャージの値上がりもさほど影響は出ていないという。
 出発日のピークは、ルックJTBの予約状況から遠距離の欧州、米国、ハワイが4月29日、アジアやグアム、サイパン方面は5月1日と2日。欧州やハワイは5月5日と6日の出発も目立つという。
 国内旅行は、人数が0.9%増の2150万人、平均費用が3.0%増の3万8000人、総旅行消費額が4.0%増の8170億円を予想。ETCの割引が宿泊旅行を増加させる傾向があるほか、平城遷都1300年祭、「龍馬伝」や「坂の上の雲」などの人気も需要を押し上げているようだ。海外との合計では人数が1.0%増の2200万8000人、総旅行消費額が9303億円とした。
 なお、調査は全国200地点で15歳から79歳までの男女1200名を対象に実施したアンケートとJTBグループの販売状況、航空会社の予約状況、業界動向から推計したものだ。