管内閣の“

観光政策”を問う!
「新成長戦略」の記述から…

(4)観光立国・地域活性化戦略 〜観光立国の推進〜
【2020 年までの目標】
『訪日外国人を2020 年初めまでに2,500 万人、将来的には3,000 万人。2,500 万人による経済波及効果約10 兆円、新規雇用56 万人』
(観光は少子高齢化時代の地域活性化の切り札)
 我が国は、自然、文化遺産、多様な地域性等豊富な観光資源を有しており、観光のポテンシャルは極めて高い。例えば、南国の台湾の人々は雪を見に北海道を訪ね、欧州の人々は伝統文化からポップカルチャーまで日本の文化面に関心を持ち、朝の築地市場など生活文化への関心も高くなっている。このように、日本を訪れる外国人の間では、国によって訪れる場所や楽しむ内容に大きな相違があるが、その多様性を受け入れるだけの観光資源を地方都市は有している。
 また、日本全国には、エコツーリズムグリーンツーリズム、産業観光など観光資源が豊富にあり、外国人のみならず、日本人にとっても魅力的な観光メニューを提供することができる。公的支出による地域活性化を期待することが難しい現在、人口減少・急激な少子高齢化に悩む地方都市にとって、観光による国内外の交流人口の拡大や我が国独自の文化財伝統芸能等の文化遺産の活用は、地域経済の活性化や雇用機会の増大の切り札である。
(訪日外国人を2020 年初めまでに2,500 万人に)
 急速に経済成長するアジア、特に中国は、観光需要の拡大の可能性に満ちている。例えば、中国から日本を訪問している旅行者数は年間約100万人、日本から中国を訪問している旅行者数は年間約340 万人(いずれも2008 年ベース)と大きな開きがある。人口増加や経済成長のスピードを考えれば、中国を含めたアジアからの観光客をどう取り込むかが大きな課題である。
 今後、アジアからの訪日観光客を始めとした各国からの訪日外国人の増加に向けて、訪日観光査証の取得容易化、魅力ある観光地づくり、留学環境の整備、広報活動等を図ることにより、訪日外国人を2020 年初めまでに2,500 万人、将来的には3,000 万人まで伸ばす。また、観光立国にとって不可欠な要素として、交通アクセスの改善と合わせて安全・安心なまちづくりを進める必要がある。
(休暇取得の分散化等)
 国内旅行は約20 兆円規模の市場である。しかしながら、休日が集中しているため繁閑の差が大きく、需要がゴールデンウィークや年末年始の一定期間に集中する結果、顕在化しない内需が多いと言われている。このため、休暇取得の分散化など「ローカル・ホリデー制度(仮称)」の検討や国際競争力の高い魅力ある観光地づくり等を通じた国内の観光需要の顕在化等の総合的な観光政策を推進し、地域を支える観光産業を育て、新しい雇用と需要を生み出す。

以上抜粋おわり


しかし、「観光」の現状は!

 旅行人数、総消費額、平均消費額、平均旅行回数のそれぞれを、09年の実績と10年前とを比較してみると、ほとんどが右肩下がり、階段状に低下している。実数と2000年比を示すと…
旅行人数   国内 00年 32,554万人    09年 29,325万人 90.1%
○○○○○  海外 00年 1,782万人    09年 1,530万人 85.9%
総消費額   国内 00年120,200億円    09年 96;500億円 80.3%
○○○○○  海外 00年 55,700億円    09年 45,100億円 81.0%
平均消費額  国内 00年 36,940円   09年  32,900円 89.1%
○○○○○○ 海外 00年 312,300円   09年 295,000円 94.5%
平均旅行回数    00年  2.71回     09年   2.3回 84.9%

日本旅行業協会(JATA)発行の「数字が語る旅行業2009」から作成
国内旅行の数字は宿泊旅行のみ。09年の数字はJNTO(日本政府観光局)発表の推
定値。


日本共産党堀内照文氏は次のように語っています
 「観光振興を積極的に推進する上では、国民みずからの旅をする権利という視点から観光問題をとらえることが必要だと考えます。国民の旅をする権利を保障すること、すなわち安定した所得とゆとりの時間を保証することが観光振興を図る大前提です。基本計画の数値目標が未達成になっている問題も、長時間労働や貧困と格差の拡大など、国民から所得を時間のゆとりを奪い取るような政治を続けていることが大きな問題ではないでしょうか。」

民主党みはしまき氏はつぎのように語っています。
 今後の日本経済の成長にとって、観光産業は重要な役割を占めます。訪日観光客3000万人の実現に向け、観光情報の戦略的発信、ビザの要件緩和などを進めます。むら・まちづくりと一体の多様な観光資源を行かした魅力ある観光地づくりや「ローカルホリデー制度」の創設などを進めます。

自民党末松信介氏は次のように語っています。
 世界的な大不況や国際的な世情不安が、観光客の増加を妨げているのではないかと考えられますが、一方で中国を始めとするアジア各国の経済力の向上でアジア方面からの観光客の増が期待できます。官民協力して、外国人のための案内標識やガイドブックの整備、外国人に適応した宿泊施設など受け入れ体制の強化が必要と考えます。住民全体が会話力を増やすなど、外国人に対するホスピタリティ能力を伸ばす努力も必要考えます。



観光立国とは…? 観光施策とは…?