韓国の新しい旅行スタイル

33観音聖地巡礼とテンプルステイ 「安・近・短」志向と韓流ブームで、一気に日本人観光客が増加した韓国。2008年のウォン安によるショッピング旅行も加わり、その人気は今も変わらない。しかし、訪問地はソウルに集中。そのほか済州島や釜山など一部の地域へのツアーもあるが、さらなる韓国旅行の拡充には新しいデスティネーションや周遊型旅行への展開が望まれる。そこで注目されているのが、「韓の国33観音聖地巡礼」。癒しや安らぎを求める人々のニーズにあった旅行スタイルとして、すでに商品化もされている。
韓国仏教「曹渓宗」の総本山と韓国の三大観音聖地「洛山寺」
ツアー最初の巡礼地は「曹渓寺」だ。ソウル市内のビル郡に位置するが、1700年の伝統がある、韓国仏教の最大宗派「曹渓宗」の総本山である。寺の内部には金色に輝く全長5メートルほどの仏像が3体並んでいるほか、柱にも色鮮やかな装飾が施され、とても華やかな雰囲気だ。幸運なことにこの日は「韓・中・日の合同法会」が開催されており、関係各所の計らいで3ヶ国の僧侶による法要の末席に参加する、貴重な体験ができた。
 その後、国宝級の文化遺産と古刹が点在し、四季折々の自然景観と韓国伝統文化が息づく江原道へ移動。本日2番目の巡礼地となる韓国の三大観音聖地のひとつ「洛山寺」を訪問した。
ここは敷地が東海岸の海岸沿いに位置する珍しい立地のお寺。東海から昇る壮観な日の出を観賞しに、多くの巡礼者が集まる名刹だ。1日のうちに都会の中の大寺院と自然に囲まれた古刹といった異なる雰囲気を味わえるのは、巡礼の旅ならではの体験だ。
 さて、巡礼の旅にはもうひとつ、楽しみがある。それは各寺に置いてある御朱印を集めること。もともとは参拝時、お寺で写経したお経を奉納し、その証としてお寺の御朱印を押してもらっていた。参拝した証であるとともに、功徳の証にもなるものだ。

 そこで、韓の国33観音聖地では、韓国の布地を使ったオリジナルの御朱印帳を用意。参加者に2000円で配布する。御朱印帳には各寺の由緒などが書かれたページがあり、参拝するとそのページに朱印を押してもらえるという仕組みだ。このほか、巡礼の旅のグッズとして、公式ガイドブック「巡拝のしおり」が1000円で販売されているほか、KTOでは33観音聖地を巡拝した人には修行の徳をたたえる結願証を授与するという。