宮本百合子没後60年

KokusaiTourist2011-01-23

あああああああああああああああを記念する会
 少し寒さが和らいだ昨日午後、神戸で宮本百合子没後60年を記念する会が開かれました。兵庫多喜二・百合子の会などが共催で、秋元有子さんによる「宮本百合子没後60年と今日の課題」と題しての記念講演と、ピアノ演奏「音楽の花束」に、約200名が集いました。
 安武ひろ子さんから紹介された秋元有子さんは、何と、元参議院議員の山中郁子さんで、お住まいの鹿児島から、会の求めに応じて神戸までやってこられたとのこと。同僚議員の安武さんや百合子の夫君であった宮本顕治さんとの思い出話を交えながら、高齢を感じさせない凛とした声で(会場から若いよ!の声が)約1時間お話されました。
 それぞれの時代背景とそれに抗してたたかい生きる百合子自身の内面の変化、それらを示すそれぞれの作品の特徴を丁寧に指摘することで、百合子の短すぎる50年の生き様を見事に再現されました。
文学にはまるで門外漢の私ですので、「伸子」と「播州平野」以外は題名くらいしか知らず、作品群の変化などとてもわかりません。しかし、百合子が「新しい生き方」を選択したとされる1930年前後の時代状況と似ているといわれる今日、いかに生きるかとのテーマに真摯に向き合う機会となりました。
また、秋元さんがエピソードとしてこんなこと語られました。議員時代に同僚議員だった宮本顕治さんに「百合子さんのどこが魅力なのですか?」と。顕治氏は、少し間をおきはにかみながら、「そうですね、優しさと知性、そして行動力ですかね…」と答えられたとか。

結局、秋元さんの、おっしゃりたかったことは、宮本さんの言葉を借りた形ではあるが、今日もこれからも百合子を語り継ぐ意義は、その3点に凝縮された生き様のことであったのでしょう。もちろん女性としてでなく、人間として…
後半のピアノ演奏は、私の好きなショパンをの5曲を含め8曲で、優雅なひとときを過ごすことができました。さいわい、どれも何度も聴いた名曲でしたが、やはりCDとは違って、“なま”は、ちいさな音の繊細さは得も言われぬものがあります。因みに、曲目は、ノクターン第2番、別れの曲、革命のエチュード、幻想即興曲トロイメライ、ラ・カンパネラなどでした。
年明け早々、有意義な集いを企画された実行委員会のみなさんに感謝します。せっかくの企画、文学と芸術から現代を見つめ直す機会として、もう少し若い方々とも一緒に楽しめたらいいなと思いました。(T.MATSUOKA)