WSF イン セネガル

KokusaiTourist2011-02-11

梅田章二さんからの最新レポートです。
 セネガル2011世界社会フォーラムは、2月7日からCheikh Anta Diop 大学のキャンパスで開催されている。
 大学のキャンパスには、世界各国のNGOのブースやワークショップがところ狭しと並んでいる。初日のパレードには5万人が参加したという。ここ数年は10万人が参加していたので、5万人という数は少ないようにも思えるが、ブラジルのような大きな国でないセネガルでの開催ということを考えれば、驚異的な参加者数だ。世界各国から活動家が集まってくるので、9条を世界に広げる絶好のチャンス。
 さっそく、会場でハッピのユニフォーム姿で、英語とフランス語で書かれた9条宣伝チラシを撒きながら、9条うちわをく
ばる。チラシと9条うちわは、それぞれ1000枚準備していった。世界社会フォーラムでの9条宣伝も3回目であるから、ケニアやブラジルに参加している外国人で覚えていてくれた人も何人かいたようだが、ほとんどの人はやはり9条のことは知らない人ばかりである。チラシには若干の説明はしているし、うちわには9条の条文そのものを載せている。読んでくれた人は、例外なく、賛同してくれる。もっと詳しく知りたいので、ウェブサイトを教えてほしいというリクエストが数人からあったが、残念ながら、外国語のホームページは開設していない。これからの課題である。
 モーリタニアから来たという環境NGOのメンバーは、「モーリタニアは、アラビックアフリカとブラックアフリカが交差する国だ。アフリカにとって平和と安定は不可欠である。日本の9条のような平和憲法が、世界中に広がってほしい」というコメントをくれた。また、ウガンダ出身のイギリス在住の男性からは、「北朝鮮が核開発したが、日本は核兵器を製造できる能力があるのに核兵器を持たないという政策をとっている。東アジアの平和にとって素晴らしい政策だ」と語ってくれた。最近、明文改憲の危険性が遠のいたことで、9条の運動がやや下火になっているようだが、グルーバル9条キャンペーンは、9条の世界的な価値を認識することができ、日本国内での運動の確信になることは間違いない。
 会場には、各国のNGOがところ狭しとたくさんのブースを出している。また、ワークショップもそれにまじって始まっていた。ぎっしりとつまったワークショップテントを覗いてみると、女性の権利問題を議論していた。西サハラのワークショップテントも活気がある。
 独立問題でモロッコと熾烈に対立している地方である。フランスの労働組合のCGTもワークショップテントを開いていた。残念ながらフランス語であるからよくわからん。パレスチナのブースもにぎやかだ。武骨は男ばかりかと思いきや、美人の女性がいたことに驚き。
 韓国のNGOが、ブースを開いて、国家保安法の廃止を求めるキャンペンをしていた。ブースの前を通りかかったところ、「コレア、コレア」と声をかけられ、
「ジャパン」と答えると、ややがっかりした様子だったが、ブースに入って話を聞くことにした。その起源はもともと日本の治安維持法にあるということでは認識は共通する。いろいろと話を聞いてみると、このNGOは民主労働党系のNGOのようだ。韓国では最左派の政党であるが、立命館大学のソスンさんについて尋ねたところ、すぐには思い当たらない様子、こちらからソウル大学事件や在日の留学生への逮捕事件など話しているうちに、聞いたことがあると思いだしてくれた。
そうか。この人らはソスンさんの時代にはまだ生まれていたかいなかったかの世代の人たちなのだ。こういう若い世代が、韓国版「治安維持法」と闘っている。ちなみに、私と話をしてくれた彼は国家保安法違反の罪で7年半も刑務所に服役したという。