35回記念総会の朝、

KokusaiTourist2011-02-26

楠本理事長(兵庫県旅行業協同組合)“ 旅立つ…”
残念です!悲しすぎます!
心から冥福を祈ります

右上写真は、昨年夏、宝塚での近畿東海旅行業連合会で挨拶する楠本理事長
  一昨日2月24日早朝5時42分、私の携帯が1通のメールを受信した。いつもの起床時間の直後、いやな予感ながら開封、発信者は楠本 弘とある。タイトルは2時45分。ああ…
 『亡くなりました。でも今日のショーは頑張ります!凄く楽しみにしてましたし、頑張ります あい』と。奥様のあいさんから、理事長の携帯を使ってご主人の死を告げるメールだった。
 その日、兵庫県旅行業協同組合は設立35周年記念総会の日。1年がかりで準備して来た、記念事業としての“中小旅行業平和憲章草案”を発表し、イベントとして、平和の詩“まがつび”などを、理事たちが、元宝塚のあいさんとともに歌う企画を組んでいた。その朝に、20年以上専務理事や理事長の要職を努めた楠本氏が、亡くなった…
1月の理事会では、元気に会議と歌のレッスンをこなし、総会を楽しみにしていたが、1月下旬から再入院加療が始まった。が、電話での話は、総会出席は当然の如くだった。2月9日に理事会を楠本氏の京都の自宅で開催。病魔に冒された風貌に愕然としたが、車椅子での総会出席、イベント参加をかすれた声ながら意欲をみせていた。1週間前、副理事長への電話で出席不可と。総会前日、理事会中に総会への挨拶文のFAXが届く。理事会も最悪の事態を覚悟し、イベントなしも想定。夜、あいさんからメール、「危篤」。
 それでも、理事会はイベントのリハーサル。そして2時45分、悲しくも永久に旅立たれた。
 
万が一の時、イベント中止も想定していた我々も理事長の遺志とあいさんの強い意思に押されて、すべてスケジュール通りの催行を決定。総会出席の組合員はもちろん、受入側の面々、来賓の方々すべてが一様に信じられない!と痛惜の表情。
 しかし、参加者総勢150名は、二人、いや、今年宝塚挑戦のお嬢さんサキさんにも励まされ、予定通りの総会、イベントを最後まで作り上げた。懇親会の冒頭、専務理事が代読した理事長挨拶には啜り泣きも聞こえ会場は異様な雰囲気に。イベントであいさんは、“一本のえんぴつ”“祈り”などを感情豊かに歌い上げ、お嬢さんは軽やかにタップダンスをこなし、会場は感動に包まれた。
 私達理事もあいさんと一緒に、まがつびを歌う。4年前の8月6日、広島平和公園で理事長も参加した100人の合唱や理事長と議論しあった理事会の様子などが走馬灯の如く蘇り、涙の大合唱になった。
 最後は、参加者全員が会場いっぱいにジェンカで練り歩く。こんな感動的でこころに残るつどいがあっただろうか。誰かが言ってた、2011年2月24日は一生忘れられない日になるだろうと…
 そしてご主人との約束を果たし、立派に仕事をやり遂げた諏訪あいさんとサキさんのお二人は、新幹線に乗り神戸をあとに京都に帰って行かれた。家族だけのお通夜を営むために---
 楠本理事長の生きざまに拍手! 合掌。
(T.MATSUOKA)

下記は、専務理事が代読した理事長挨拶。亡くなる8時間ほど前にFAXで届きました。

 本日は兵旅協35周年記念のめだたい席に、理事長であるわたくしが参加できない事は非常に残念でなりません。
 しかし、わたくしが理事長在籍8年の間に守り通してきた精神、お客様に、愛と平和と夢を売る、笑顔溢れる暖かいサービスの心は、兵旅協のみんながきっと引き継いでいってくれると確信しています。
 是非、神戸発信でお客様に喜ばれる、心を込めた手作りの旅を忘れずに、これからも頑張っていって下さい。
 旅は平和の象徴であります。
そして、皆の、愛のたすきのリレーで、繋いでいくものだとわたくしは思います。
わたくしは在籍8年の理事長の席を、今日で降ります。
皆さん、長い間ありがとう。
 そして最後に…
今日採択される中小旅行業平和憲章草案から草案の言葉が外され、平和憲章として拡がることを願ってやみません。
 今日の会が、心に残る素晴らしいパーティーになることを、心から祈っています。本日は本当に35周年おめでとうございます。 楠本 弘