計画停電、旅行会社各社に影響−店舗営業時間変更や、ツアー催行中止

[web版業界誌トラベルビジョンより掲載日:2011/03/16]
 東京電力が14日から実施している計画停電により、旅行会社各社の店舗の営業体制やツアーの催行に影響が出ている。
ジェイティービーJTB)では東京、千葉、神奈川で店舗ごとに営業時間の短縮など対応を実施。近畿日本ツーリスト(KNT)では店舗ごとに対応を進めており、計画停電による公共交通機関の運休、遅延の影響でスタッフが確保出来ない場合は電話対応が中心になる場合もあるという。
 日本旅行では、停電地域の店舗では店舗内の照度が十分確保できない場合は閉店時間を変更する場合や、一部取扱業務を制限する場合もあるという。カウンター店舗での受付業務は実施するが、予約、発券、紹介業務は取扱できないとしており、受付した内容の回答も翌営業日以降になるケースがある。インターネットからの申し込みについても、契約成立や予約確定のメールの一部が遅延する場合があるとした。なお、ショッピングセンターなどの商業施設内の店舗については、JTB、KNT、日本旅行ともに店舗の営業状況に準じて変更する。
 エイチ・アイ・エス(HIS)では3月15日17時17分現在、ウェブサイトで各店舗の当日と翌日の営業情報を掲載し、顧客への案内を実施。情報は随時更新していく。各店舗で計画停電に合わせて臨時休業や営業時間の変更、電話のみの対応などを実施する。阪急交通社では計画停電のスケジュールに合わせて随時対応する考えだ。東日本地区の予約センターでは時間帯により受付対応の停止や顧客への連絡が滞ることが予想されるとし、電話がつながりにくくなっているとウェブサイト上で注意を呼びかけた。
 また、クラブツーリズムでは3月14日から3月18日出発分まで、計画停電が予定されている地域を旅行の行程に含むツアーの催行を中止する。同社によると、現場での信号機能が十分でなく、バスの安全運行に支障が出る可能性や、観光施設が利用できず、移動時間も変更する可能性があり、ツアーの全行程を実施できない場合があるため、催行中止を決定。ただし、集合場所である羽田空港、成田空港、東京、上野、品川、大宮、新横浜などのJR各駅のみが計画停電地域に指定されている場合は、原則としてツアーを催行する。また、3月18日名古屋港出発の飛鳥II貸切クルーズと3月26日横浜港出発のにっぽん丸貸切クルーズツアーについては催行する。
 なお、クラブツーリズムJTBでは、計画停電による公共交通機関の運行制限の影響で集合時間までに集合場所に到着できない場合は、ツアーの取消料を免除する。クラブツーリズムでは3月18日までで、JTBでは今のところ期限は設定していない。