子どもに「被曝年20ミリシーベルト」の撤回要求

 ジャーナリスト・杉山春さんのメールを転載します。杉山春さんは中国残留婦人・栗原貞子さんの取材を行い、映画「花の夢」の素材を提供した方です。


  たびたびすみません【緊急要請】子どもに「被曝年20ミリシーベルト」の撤回要求の件です。
再びBCCで失礼いたします。
また、同じく、福島県の子どもの1年間の被曝線量の目安「20ミリシーベルト」を撤回させる件です。
署名へご協力くださいました皆様、ありがとうございました。
さらなるご協力のお願いです。
ネット署名は25日締め切りの第一次集約分で3万3千を越えたそうです。
本日23時が次の締め切りです。
詳しくはこちら http://blog.canpan.info/foejapan/daily/201104/23
5月2日に2度目の政府交渉があります。
 今朝の新聞には、内閣官房参与の小佐古東大教授が辞表を出したと報じられています。特に、文部科学省が採用した年間被曝量20ミリシーベルト」という基準に強く抗議をしています。氏はこれまで原発推進派であり、政府寄りの立ち場を示して来た人だそうです。そういう方が、「自分の子どもをそういう目 に遭わせたくない」と語っています.
 氏の辞任声明は木下黄太さん(ジャーナリスト)のブログhttp://blog.goo.ne.jp/nagaikenji20070927 で見ることができます.この中で、「これらの学校では、通常の授業を行おうとしているわけで、その状態は、通常の放射線防護基準に近いもの(年間1mSv,特殊な例でも年間5mSv)で運用すべきで、警戒期ではあるにしても、緊急時(2,3日あるいはせいぜい1,2週間くらい)に運用すべき数値をこの時期に使用するのは、全くの間違いであります。警戒期であることを周知の上、特別な措置をとれば、数カ月間は最大、年間10mSvの使用も不可能ではないが、通常は避けるべきと考えます。年間20mSv近い被ばくをする人は、約8万4千人の原子力発電所放射線業務従事者でも、極めて少ないのです
 この数値を乳児、幼児、小学生に求めることは、学問上の見地からのみならず、私のヒューマニズムからしても受け入れがたいものです。 
  年間10mSvの数値も、ウラン鉱山の残土処分場の中の覆土上でも中々見ることのできない数値で(せいぜい年間数mSvです)、この数値の使用は慎重であるべきであります。小学校等の校庭の利用基準に対して、この年間20mSvの数値の使用には強く抗議するとともに、再度の見直しを求めます。」と述べています。
 27日のテレビ朝日ではノーベル賞も受賞した国際的な医師の団体がワシントンで会見し、文部科学省が子供の1年間の許容被ばく線量の目安を「20ミリシーベルト」に設定したことに疑問を呈したことが報じられました。
 アイラ・ヘルファンド医学博士は「衝撃的だったのは、日本政府が福島の子供たちの許容被ばく線量の基準を高く設定したことだ」と発言し、「子供の場合、がんになるリスクが成人よりも2倍から3倍高くなる」と指摘しています。ニュースは30秒ほどですが下記で見ることができます。
http://news.tv-asahi.co.jp/news/web/html/210427018.html
 防げる子どもの被曝はなんとしても止めたい。これは、この『未曾有の時代』に生き合わせた私たち大人の責任だと思えてなりません。どうか、周りの方で、関心を持ってくださりそうな人がいましたら、今一度、お声をかけていただけませんか。
 よろしくお願いいたします。          杉山春