秋の3湯三題噺(2) 兵庫県・湯村温泉

業界紙トラベルニュースより

兵庫県北部、但馬地方の山間部にたたずむ湯村温泉。かつてドラマ「夢千代日記」の舞台になった湯の郷は、昔ながらの温泉情緒が漂っている。

荒湯、猿尾滝、天空の城

温泉街中心部にあるのが荒湯。摂氏98度もの高温の源泉がもうもうと湯けむりをたてて湧出する光景は、湯村のシンボルとして存在感を放つ。この源泉でゆでる「荒湯たまご」は湯村の名物。荒湯に隣接する春来川沿いに足湯も設けられており、この一角には多くの観光客が訪れる。

また、夢千代像や夢千代館といった夢千代の里ならではのスポットも。夜には荒湯と春来川を中心にまちがライトアップされ、昼間と違った風情が楽しめるのも魅力だ。

湯村を訪れたら、周辺観光にも繰り出そう。自然の魅力としては、香美町村岡区の猿尾滝は外せない。日本の滝百選にも選ばれている名勝で、2段構えの滝の落差は上段39メートル、下段21メートルというスケール。秋の紅葉と白い滝のしぶきのコントラストが癒しの空間を演出する。

但馬のなかでも、近年注目を集めている竹田城跡。室町―安土桃山期の城郭で、南北400メートル、東西100メートルにおよぶ石垣の遺構は、秋冬の雲海が特に見もので「天空の城」として訪れる人が絶えない伸び盛りのスポットだ。秋は周囲の色づいた山々が一望でき、吹き抜ける穏やかな風が吹く中、歴史ロマンを求めて登ってみる価値は十分。


雲海に浮かぶ天空の城、竹田城跡も見どころ