東京電力、観光業の風評被害の賠償額引き上げ−売上減少率や期間を見直し

WEB版業界紙トラベルビジョン2011年10月27日(木)

 東京電力は10月26日、観光業の風評被害における賠償基準の見直しを実施した。対象となるのは福島、茨城、栃木、群馬県に事業所がある法人、個人事業主これまでは、3月11日から8月末までについて、原発事故以外の要因による売上減少率を20%としていた。今回の見直しで、3月11日から5月末までは20%、6月1日から8月31日を0%とするパターンと、期間は変更せず減少率を10%に引き下げるパターンのいずれかを選択する方式とした。また、これまで未公表としていた9月以降については、2パターンとも0%とした。
 東京電力によると、今回の見直しは10月25日に観光庁が発表した宿泊旅行統計調査などを踏まえてのもの。3月から5月の宿泊者数は前年比29.7%減、6月から8月の宿泊者数の推計は6.3%減となっており、こうしたデータを踏まえて見直しを実施した。どちらの賠償基準を選択するかは、請求者側が有利な方を選択する形となる。
 なお、10月26日現在で東京電力が既に受け付けていた約210件の請求についても、見直し後の基準で算定する。