現地レポート:ケニア(2)、宿泊施設とインフラ、ツアー造成のポイント

web版業界紙トラベルビジョンより
ケニアアコモデーションの選択で旅行スタイルが変わる
観光立国として整備進んだインフラも特徴付けの一役に
 ケニア観光の主力素材であるマサイマラ国立保護区でのサファリ体験は、宿泊施設がガイドとドライバー、またはガイド兼ドライバーと車をアレンジするのが一般的。マサイマラ国立保護区の内外には、さまざまなアコモデーションがある。内と外では、滞在中に見られる動物の種類や数が異なるし、高台からサバンナを見下ろしたり、川沿いで水の流れを楽しむなど、ビューを重視した選択もできる。また、サービスはそれぞれ異なり、旅行者の希望に添ったアレンジに対応する宿泊施設もある。今回視察したいくつかのアコモデーションを紹介する。

キャンプスタイルからリゾートタイプまで
バラエティ豊かに揃うアコモデーション
 マサイマラ国立保護区内にあるアコモデーションで、もっとも古い歴史を持つ「ガバナーズ・キャンプ」。老舗ゆえ立地がいいのが最大の特徴で、なるべく手を入れていない自然の中に、37のテントが点在している。敷地内でさまざまな動物を見ることができるのも魅力のひとつだ。視察時にはアフリカゾウが水浴びに来ていた。
 自然との一体感を存分に味わえるため、欧米人旅行者や日本人のリピーターを中心に人気が高い。ケニア旅行に精通した参加者が「ケニアらしさを満喫するなら、ここの滞在を薦める」と話す一方で、これからケニアの商品を造成する参加者からは「テントに泊まってキャンプをする感じで、値段に見合うと納得してもらえるか心配」「日本人の初心者には、ワイルド過ぎる印象もある」との声も上がった。
 「フェアモント・マラ・サファリ・クラブ」は、国立保護区外にあり、整備の行き届いたリゾート。全51室の客室は高級感があり、セーフティボックスなど部屋の備品も充実している。レストランの外にあるテラスはマラ川に面していて、カバやワニなどの動物を見ることができる。また、小会議やレセプション向けスペースを用意して、小規模のMICEも受け入れている。「ガバナーズ・キャンプ」と「フェアモント・マラ・サファリ・クラブ」は、パッケージツアーのパンフレットでは「デラックスクラス」に位置づけられることが多いが、その個性は大きく異なるのだ。
 研修旅行で滞在したのは、ブティックスタイルの「ンゲレンデ・アイランド・ロッジ」だ。独立したロッジタイプの客室は7棟のみ。限られた人数のゲストを、30名以上のスタッフによるフルサービスでもてなす、最高級クラスのアコモデーションだ。客室にはバスタブが設えられ、サファリから戻るとバブルバスが用意。ターンダウンサービスも行なわれる。さまざまな演出も可能で、滞在中はガーデンランチやプールサイドのガゼボでのランチ、サファリ中にはサバンナの真ん中での出張ランチなど、さまざまなシチュエーションで食事を楽しんだ。参加者は「スパがあるなど、リゾート内にこもることもでき、ハネムーナーには最適」「高額商品が見込める」と、商品イメージが膨らんでいたようだ。