倉本 聰さん(脚本家)

KokusaiTourist2012-01-09

今回の災害を日本の大きな転換点に
全国革新懇ニュース【革新懇インタビュー】に登場
前日に続くhttp://d.hatena.ne.jp/KokusaiTourist/20120108
変えたいこれまでの価値観
 今回の災害は、日本の大きな転換点にならなければいけないと思います。 
 66年前の終戦のときは、軍国主義を否定し民主主義に向かいました。そのとき、いっしょに資本主義が入ってきた。
 それまでは靴下に穴があけば、おふくろが繕ってくれて、一足の靴下が1年たち2年たつと、つま先やかかとがゴロゴロしてきた。そうすると、100円で買った靴下の価値が50円に減ってるのかというと、おふくろやおばあさんの夜なべしている姿が結びついてるから、300円、500円の価値になっている。これがそれまでのモノに対する見方でした。
 ところが、終戦のとき、「これからの資本主義社会では再生産できない(こわれないもの)をつくってはいけない」と教えられた。こわれないと、次のものに買い換えられないからです。
 靴下は破れなくてはいけない。破れたら捨てなくてはいけない。それで大量生産、大量消費、大量廃棄が始まった。そのツケとして原発事故が起きたのではのいでしょうか。
 今回の災害から日本が立ち直るためには、こうしたこれまでの価値観、根源的な考え方を変えなければいけないと思います。
「気がつけば今 五郎の生き方」
 いま富良野では「北の国から」の放映30周年を記念する行事がおこなわれています。「気がつけば今 五郎の生き方」という言葉もポスターになっています。
 主人公の黒岩五郎は、化石燃料も使わないし空気も汚さない風力発電、その頃はあまりいわれなかったクリーンエネルギーを発想した。お金を使わなくても知恵と労力で、やろうと思えばできる生き方、座標軸をしっかりもっていた。
 先日も、そのぶれない生き方を語るトークショーが大好評でした。